見出し画像

【アメリカのコロナ事情Vol.8】       ミスインフォデミック(3)PCRの闇②

前回【アメリカのコロナ事情Vol.7】ミスインフォデミック(2)PCRの闇① の続きです。                                *ミスインフォデミック:感染症について、誤った情報が提供され、拡散されたことが感染拡大の助長・または適切な感染対策の妨げとなっている人災      *PCR検査、そのものを批判しているわけではありません。その使い方、設定の仕方について議論しています。

新しいPCR検査、それ本当に新しい?

今年の春、現在使われているPCR検査は今年末までで、コロナとインフルエンザの区別できるPCR検査の使用を推奨していくような方針が示されましたが、コロナとインフルエンザの区別ができるPCR検査なんて、その第一号が昨年の9月にはすでにFDAの緊急時使用(EUA)を獲得しています。(ロッシュ社のコロナ・インフル検査、EUA獲得

検査会社はなぜこのようなPCR検査を作ったのか? それはロッシュ社のプレスリリースからわかります。下記のの3番目です。

1)ロシュ社、cobas 6800/8800システム用の「cobas SARS-CoV-2 & Influenza A/Bテスト」のFDA緊急使用承認を取得
2)SARS-CoV-2、A型インフルエンザウイルスおよびB型インフルエンザウイルスを1つのサンプルで検出・鑑別する、完全自動化ハイスループットシステム向けの初の商用テスト
3)COVID-19とインフルエンザの感染は、症状からはほとんど区別できないため、(本製品を使用することで)医療従事者は自信を持って患者に正しい診断と最適な治療方針を提供することができます。
4)ハイスループットのcobas 6800/8800システムで使用できる検査は、今後も大量の検査をサポートします。
5)このテストは、CEマークを受け入れている市場でも利用可能です。

COVID-19とインフルエンザの感染は、症状からはほとんど区別できないため、(本製品を使用することで)医療従事者は自信を持って患者に正しい診断と最適な治療方針を提供することができます”とあります。従来のコロナPCR検査がインフルエンザにも陽性反応を示さないのならば、従来製品を使って正しい診断ができるはずです(症状ではどちらかわからなくても、検査をして、陽性ならコロナ、陰性なら、インフルエンザ)。

PCR検査がコロナ以外の似たようなウイルスも検出しているということは、昨年の早い段階ですでに指摘されていました。その指摘は正しかったのかもしれません。だとすれば・・・・

  ”新型コロナ”だけに絞れば、もっと少ない感染者数だったのではないか?   だとすれば、その誤ったデータによって検討し、導入した政策は何だったのか?

感染者数の統計には、”あくまで検査を受けて陽性となった人の数であり、検査を受けていない陽性者もいるかもしれません”という、”実際はもっと多くいるかもね”と思わせるような注意書きが書いてあることがあります。前回のPCR陽性者≠コロナ感染者に加えて、症状があっても他のウイルスによるケースがあるとすれば、コロナ感染者数はさらに少なくなります。統計データには、”実際の感染者数は、少なくなる可能性もあります”という注意書きも必要ではないでしょうか?

活用されなかった検査による社会的な損害

コロナとインフルエンザを判別するPCR検査は、医療従事者が行うタイプのものが昨年9月にEUAを獲得した後、12月には、最初のホームキット製品がEUAを受けています。大体、需要のあると考えられる製品は、後が続きます。ビジネス的な視点で言えば、コロナ禍の中、PCR検査は例年の3倍売れている商品です。1社がより売れそうな類似品を出せば、必ず他社は続きます。そして、少しだけ他社に勝てるような要素(価格・速さ・正確性・利便性・わかりやすさ)を入れ込みます。つまり検査会社としては、遅くとも昨年末までには、次のステージに進む準備ができていたといえます。

昨年中に、PCR検査の政策を変更していれば、その時点で、より適切な治療、より的確な感染者数の把握ができたのではないでしょうか?

画像1

画像2

コロナ死と診断された方の中に、インフルエンザだった方はいないでしょうか? コロナにタミフルが効くという話は聞いたことがありませんので、インフルにも関わらずコロナと診断を受けてしまえば、その人は適切な治療が受けられなかったかもしれません。もちろん、個々人の判断で、このコロナ&インフルのPCR検査を受けることがあります。ただ、早期治療(イベルメクチン)推進派の医師らでなければ、基本的にはCDCの標準治療に従う傾向にあることを考えると、どれくらい使用されていたのかはわかりません。

EUAを受けた製品があるのだから、インフルのシーズン前に、それを大きくアナウンスすべきだったのではないでしょうか。

仮に”標準検査をコロナ・インフルPCRに変更するかどうかの判断を行うのに、今年の春まで時間が掛かった”としても、検査会社側はすでに準備できているわけですから、なぜ来年初めまで導入を待つ必要があるのでしょうか? そろそろインフルエンザのシーズンが始まりますし、製品は揃っているのです。年明けを待つ意味がわかりません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?