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テキサン(テキサス州民)の素敵なところ

自分の使っているアイコン「GO TEXAN」を見て、そもそもYouTube用にこのアカウントを作ったのは、テキサスの素敵なところを広くシェアしたいという想いからだったのになということを思い出しました。が、昨年の大統領選挙の辺りから、テキサスというよりもアメリカ全体がいろいろとおかしくなり、当初はその関連の問題で、動画をアップしていこうと思っていたのですが、言論統制というべきビッグテックの検閲ぶりに怖気付き、気がつけば、noteでのコロナに対する疑問点の投稿する今に至っています。

しかし、自分が住んでいるところのネガティブさしか考えられないことほど、不幸なことはありません。アメリカが地元というわけでもないので、別の国に引っ越そうかと本気で考えていたこともありましたが、コロナのこともあり、今はどこの国も似たような問題を抱えているので、ネガティブな理由から移動するべき時期ではないなと思いとどまっているところです。

海外で暮らすというのは、文化や習慣の違いが生活を難しくすることも事実ですが、日本では知り得なかった楽しいことに遭遇することもたくさんあります。そういえば、noteを始めてから、ネガティブな記事しか書いていなかったのですが、ずっとネガティブな想いで暮らしているわけではありません。「そうだ!テキサスの良いところをシェアしてみよう」というわけで、よかったら、お付き合いください。

全米第3の都市とは思えない、程よい田舎の良さ

私は日本の地方出身者です。東京での生活も長かったのですが、福島からの避難者を支援するプロジェクトに参加していた際に、「東京では、スーパーで話しかける奇妙な顔で見られてしまう」というお悩みを聞く度に、「わかる!」と共感したものでした。

テキサス 州は全米第3の都市、ヒューストンのある州で、私が住んでいるところもヒューストン都市圏ではあるのですが、この辺りでは、知らない人がとにかくよく声を掛けてきます。

「そのメーカーのチョコレート、どう?おいしいの?」「その靴、かわいい!どこで買ったの?」「おいしそうなケーキばかりで悩んじゃうよね。どれにするの?決めた?」等々。

コロナ・パンデミックの影響で、人との交流がシャットダウンされがちな現在ですが、マスク着用義務化が解除された今年3月くらいから、こう言った街中でのコミュニケーションが戻ったような気がしています。

西海岸にある、日本でもよく知られた都市に住んでいたこともありますが、そこでは、いわゆる”アメリカは日本とは違って〜だから気をつけなさいよ”ということをいろいろ体験しました。

例えば、かわいい赤ちゃんとそのお母さんと目があった時のこと。同じ小さな子連れという親近感を勝手に感じた私は、「かわいいお子さんですね」と思わず声を掛けてしまいました。そのお母さんからはものすごく怪訝な顔をされた上、そそくさと立ち去られてしまい、困惑したことがありました。追い討ちをかけるかのように、アメリカ人の夫には「ここではそういうのは、None of your business (余計なお世話)って言うんだよ」と叱られ、「日本に帰る!」と思ったものでした。西海岸の都市がダメでテキサスが良いと一概に決めつけることはできないことですが、田舎育ちの私にとっては、テキサスのこういった通りすがりのコミュニケーションは心地よいものです。(テキサス出身の友人の一人は、テキサスよりもその西海岸の都市の方が暮らしやすいと引っ越していきました。ので、本当に人それぞれなのだと思います。)

アジア人ヘイトへの恐怖心を救ってくれた”通りすがりのコミュニケーション”

ヒューストンでも、韓国人のショップ店員がアフリカン・アメリカンの顧客に殴られるという事件がありました。ですから、テキサスでは、アジア人への暴力がゼロというわけありません。とはいえ、ニューヨークやカリフォルニアで事件になっている数に比べたら、アジア人としてテキサスの街を歩く際に、暴力の心配はないといえます。(ただし、アジア人に対する偏見が存在しないか?といえば、それはまた別の話です)。

これはアジア人の人口が少ないということが影響しているのかもしれませんし、警察がきちんと機能していることが暴力事件(犯罪)の抑止効果になっているのかもしれません。アジア人であることを隠して外出する必要は全くありませんし、中華街や日系スーパーで怖い思いをしたこともありません。

でも、実のところ、これらのことは今だからそう思える話。アジアンヘイト絡みの暴力事件が問題視され始めた今年春くらいには、少し緊張しながら外出していましたし、イヤフォンで音楽を聴きながら外を散歩するということもやめました。この緊張感を解いてくれたのは、街中で話しかけてくれた様々な人種の”通りすがりのコミュニケーション”にありました。

最初の出来事は、夫と発電機を購入しに行ったときに起きました。探していたメーカーのものが近所になく、普段は行かない、アジア人がほぼいないお店に行ったのですが、現物を前に、「どちらがいいか?」を夫と話し合っていたところ、一人のアフリカン・アメリカンの男性が近づいてきたのです。

「俺さ、その両方の発電機持っているんだけど、こっちの良いところは〜で、こっちは〜で。コスパ考えると、おすすめはこっちだよ」。

男性が近づいてきたときに、少し体に力が入ってしまった自分を恥じました。「ああ、そうだった、テキサスってこういう街だったよな」と、発電機に関する情報以上のものをいただいた出来事でした。

2回目は、ホームセンターで木材を大量購入したとき。車体に傷がつかないように木材を包む紙をもらってくると、夫がその場を離れたため、大量の木材の横で1人待っていたのですが、車がすぐ横に止まり、コケージャンの男性が何か話しかけてきました。エンジン音で最初聞こえなかったのですが、よく聞いてみると、「手伝おうか?」ということでした。夫が戻ってくることとお礼を言うと、車は立ち去って行きました。すると、その1分後くらいにまた別の車が横に止まり、今度はアフリカン・アメリカンの男性が窓を開け、声を掛けてきました。「大丈夫?手伝おうか?」同じように状況を説明し、お礼を言いました。

ほんの5分くらいの間の話です。大量の木材の横で、じっとしている小さなアジア人女性を見て、助けてくれようとした人が二人もいたのです。大柄な人が多いテキサスでは、アジア人の中でも小柄な私は特に小さく見え、困っているように見えたのでしょう。「テキサス大好き!」と思うと同時、警戒していたことを申し訳なく思いました。

現在、私の頭の中は、アメリカで起こっているいろいろなヘンナコトを理解したいということでいっぱいで、ネガティブな投稿が続くかとは思いますが、テキサスは本当におもしろいところですので、こちらの情報もちょくちょくシェアさせていただければと思います。


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