安藤裕 前衆議院議員が、三浦市の下水道事業へのコンセッション方式導入について、「そこで働く人の給料が下げられて、人件費カット」、「なかなか、嫌な話」と批判。

 2022年7月23日、安藤裕 前衆議院議員は、自身のYouTubeチャンネル「安藤裕チャンネル ひろしの視点」での ライブ配信 に於いて、視聴者からの三浦市の下水道事業へのコンセッション方式導入に関する質問に対し、「民間入れて、結局、何が起きるかっつったら、そこで働く人の給料が下げられて、人件費カットしか無いんですよね。」、「なかなか、嫌な話ですね、これ。」と批判しました。

 安藤裕 前衆議院議員は、横浜市港北区出身の税理士で、消費税ゼロ、ガソリン税ゼロ、社会保険料免除、事業者への粗利補償、全国民に一律現金給付、プライマリー・バランス黒字化目標の廃止、「政府の赤字は、みんなの黒字。」、新自由主義からの脱却、グローバリズムからの脱却、日本の真の独立等を訴える、積極財政派、保守派の論客です。

■ 視聴者からの質問と 安藤裕 前衆議院議員の回答(文字起こし)

野良放送チャンネルさん
「三浦市が、神奈川県で初めて、下水道事業にコンセッション方式を導入しようとしています。今年11月に事業者と契約、来年4月からコンセッション方式導入開始の予定です。この動きを放置しておくと、神奈川県内の人口が多い都市の水道事業、下水道事業にもコンセッション方式が導入される流れになる可能性がありますが、横浜市出身の安藤先生は三浦市の動きについて、どのようにお考えですか?」

んー、まぁ、これは、神奈川県、ねぇ、小泉さんとか、河野さんとか、菅さんとかがいるので、こういうの好きそうですよね。
コンセッション方式にしたら、何でこういう下水道の問題とかが解決できるのか、さっぱり分かりません けども、んー、まぁ、やっぱり、どっかが導入して、どっかが失敗するっていう経験しないと、止まらない、かなぁ。
んー、今のところ、これの意味をちゃんと分かってる人って、すごく少ないじゃないですか。
で、「民営化したら、民間の知恵を入れたら良くなる」みたいなね、そういう、話になってる気がするんですよね。
で、民間入れて、結局、何が起きるかっつったら、そこで働く人の給料が下げられて、人件費カットしか無いんですよね
で、人件費がカットされて、事業が黒字化をしていくっていう流れしか無いと思うんだよなー
うーん、どうやったら食い止められますかねー、これ。
うーん・・・・・・。
そうですねー、まぁ、これ、もう、決まっちゃってるんですかね?
11月に事業者と契約して、そして、これか、それから議会で議決するんですかね?
多分、自民党系の議員は、もう、賛成するんだろうし、多分、市議会とかも自民党系が多いんでしょうね。
それで、潰せたらいいんですけどね。
まぁ、でも、ここまで来てるってことは、多分、議会と市長との調整、済んでるんだろうなぁ、きっと。
なかなか、多分、食い止められないですね、これ。
うーん・・・・・・。
まぁ、何かしら、反対の運動を始めていくか、意見を伸ばして、意見をどっかで言うか、していかないと、止まらないですね。
なかなか、嫌な話ですね、これ。
はい。
すいません、ちょっと、そんな、ダラダラした話しかできません、すいません。

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■ 動画
https://youtu.be/YT_cmJ-yP5k?t=4637


■ 2018年4月 下水道事業にコンセッション方式を導入した浜松市の状況


■ 「三浦市公共下水道(東部処理区)運営事業におけるコンセッション方式導入検討に係る公表等の状況について」(三浦市 上下水道部 下水道課)

[ web ] http://www.city.miura.kanagawa.jp/mizukankyou/concession-kohyo.html

【 優先交渉権者 】
[ グループ名称 ]
・ みうらラクアパートナー

[ 代表企業 ]
前田建設工業(株) [ 非上場 / 2021年9月29日 上場廃止 ]

[ 構成員 ]
東芝インフラシステムズ(株) [ 非上場 / 主要株主: (株)東芝 ]
・ (株)クボタ [ 証券コード: 6326 ]
・ 日本水工設計(株) [ 非上場 ]
・ (株)ウォーターエージェンシー [ 非上場 ]

前田建設工業スエズ は、2020年12月、日本国内の上下水道事業コンセッションに於ける業務提携契約を締結した。(⇒ プレスリリース

※ 2022年2月、ヴェオリア・エンバイロメントスエズ の株式買収が完了。


■ 「下水道における新たなPPP/PFI事業の促進に向けた検討会」(国土交通省 水管理・国土保全局 下水道部 下水道企画課 管理企画指導室)

[ web ] https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000382.html

[
官民連携に係る最近の動向について(国土交通省下水道部) ]
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001489579.pdf

[
参画団体一覧(2022年6月時点) ]
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/content/001489571.pdf


■ 「三浦市、下水道運営事業を民間に 来年4月開始予定」(神奈川新聞 / 2022年7月16日)


■ 「三浦市 前田建設ら優先交渉権 コンセッション 11月に契約締結へ」(日本下水道新聞 / 2022年7月20日)


■ 「【コンセッション】三浦市、公共下水道コンセッション事業の優先交渉権者に前田建設工業等のグループを選定」(Infrato / 2022年7月23日)


< 参考資料 >
■ 英国会計検査院(National Audit Office)「PFI and PF2」
https://www.nao.org.uk/report/pfi-and-pf2/

【 英国会計検査院(NAO)の報告書「PFI and PF2」 (2018年1月18日) 】
・ PFIが公的な財政に恩恵を齎す証拠は乏しい。
・ 総じて公的に資金調達されたプロジェクトよりPFIスキームは高くつく。
・ 学校建設の分析では政府が直接ファイナンスするよりも40%割高。
・ PFIでは、公共による資金調達よりも2から4%(一部では5%も)資金調達コストが高く、さらに多額の付加的な費用(資金調達のアレンジメント・フィーが元本の1%程度、マネージメント・フィーが事業総額の1~2%程度など。)がかかる。
・ 公共部門にとっては、25年から30年という長期スパンでは費用がかさむとしても、短期又は中期的(5年程度)で見ると負債を圧縮できるので魅力的である。このため公共部門の意思決定がPFIに好意的になり、PFI事業を進めるために、VFM(Value for Money)評価が甘くなる。
・ 英国財務省はPFIのメリットとして、事業リスクを民間に移転できること、長期的なランニングコストが軽減されること、を挙げていた。しかし、実際にはこれらは概ね実現されず、PFI事業は開始時には予見していなかったコストをカバーするために高くついた。
・ 英国でのPFIのピークは金融危機直前の2007年から2008年(86億ポンド)であり、その後急速に減少。現在では1990年初頭(PFIが始まった頃)よりも案件の額が少ない。

【 英国政府の動向 】
 2018年10月29日、英国のフィリップ・ハモンド財務大臣は、「今後新規のPFI事業は行わない」と宣言。


■ 「国が実施するPFI事業について」(会計検査院 / 2021年5月14日)
https://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/3/r030514.html


■ 「民間資金で公共施設整備、不適切業務2367件 検査院」(朝日新聞 / 2021年5月14日)
[ web ] https://www.asahi.com/articles/ASP5G5R86P5DUTIL06C.html
[ Twitter ] https://twitter.com/YOSHIMASAOBAYAS/status/1393312267265998849


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