ぼくの「集中力の質」の話。

ふと、年末年始が昔から苦手なんだと思い出しました。クリスマスが終わると毎年気分が落ち込むんです。祭りのあとって訳じゃ無いけど、ちょっとしっとりと落ち着いた年末の雰囲気に寂しくなってしまうのかも知れない。去年は娘が生まれたばかりでそれどころじゃ無かったし、その前年は今の奥さんと付き合い始めた頃で幸せでそれどころじゃ無かった。そんな今の生活にも慣れてきて、ふと2年振りに思い出した。年末年始が苦手だったんだ、そう言えば。

年末年始って仕事も休みだし、家族とゆっくり過ごせるし、テレビも面白いし、楽しい事がいっぱいだと思うんですが、時間がゆったり流れていると余計な事ばかり考えてしまう。頭の中が思考で溢れて吐き気がしてくる。これはぼくの集中力のタイプが生き辛いものだからだと、気がつきました。

「左ききのエレン」で「集中力の質」という理論が登場しますが、ぼくの集中力の質は結構変わったタイプで、スイッチが馬鹿になってるタイプというか、ぼくにとって「集中が入らなくて困る」という事の何倍も「集中が切れなくて困る」という事が多くて。一見、聞こえがいいかも知れませんが、これは決して「良い事」では無いです。

漫画の中で語り切れていませんが「集中力の質」に関しては本当にたくさん考えていて、例えばみっちゃんの様な「集中力がそこまで深く無いけど、スイッチのオンオフが早い」というタイプをビジネスパーソンに向いてると書いた事がありますが、本当に使い勝手の良い集中力のポイントは「すぐ入る」よりも「すぐ切れる」だと思うんです。もっと言うと「自分の意思で切れる」です。みっちゃんはスタバばっかり行ってる印象ありますが、ああやって「他の社員と足並み揃えるよりも、自分のペースでやった方が効率がいい」と知ってるタイプで、オンオフが上手いタイプ。

話を戻すと、ぼくの「自分でスイッチが切れない」はかなり厄介なタイプで、人と一緒に居ても上の空な事が多々あるし、下手すると生活に支障があると感じる事さえあります。少なくともビジネスパーソンには微塵も向いてない。きっと同じ症状(あえて症状という言い方にします)の人もたくさんいると思うので、もう少し詳しく書いてみます。

ぼくはネームを描く速度には自信があります。早いから良いとは限らないので自慢にはなりませんけど、50ページくらいのネームなら半日で書けるので(そのあと当然書き直す事はある)相当早い部類だと思います。サラリーマン時代、企画の案数にも定評がありました。いまだに当時の先輩達と飲みに行くと「お前はとにかく案数が多かった、早かった。」と言われます。「案数が多いやつ」というキャラが定着してました。ちなみにですが、エレンでコピーライター志望の流川が「一晩で100案持ってこい」と試されるシーンがありますが、ぼくは一晩で1000個のコピーを書いた事があります。

だから、ちょっと引くくらいガァーッと集中するタイプで、これだけ聞くと「良い事」に聞こえるかも知れませんけど、これがどういう事か例えると「四六時中、頭の中でテレビが10台くらい付けっ放しになってる」という感じなんです。しかも、そのテレビは音声が聞き取れるギリギリまで早送りになってる。

それがベースの状態で、ネームを描く時とかは一つのチャンネルに集中できます。だから「スイッチが馬鹿になってる」と表現しましたが「スイッチを入れる方向」には、まだ効くので「仕事に集中してる時は、ノイズが減るから楽」で、仕事が無い時は思考が拡散される感じ。だから、年末年始の仕事が無い状態が結構しんどい。そういう事で気持ちが落ち込むんじゃ無いかと、今年になって思いました。

だから、段階で言うと…

・仕事に集中してる時「一つの事しか考えられない、楽チン」

・仕事の合間「10個の事が止めどなく早送りで流れてる、しんどい」

・オフ「ぼーっとしてる、楽チン(ただ非常に短い)」

この合間の状態、要らないんだよなぁって。PCのスタンバイ状態って言うのか、上手い例えが思いつかないですけど、仕事してない時はバチっとオフにしたい。それが出来る様になったら、ぼくは本当にストレスから解放されると思います…。漫画で「集中に入るためのルーティン」とか書いてますけど、ぼくが本当に欲しいのは「集中を切るためのアンチ・ルーティン」なんです。色々試したんですが、友達と会うとか。でも人と会うと結構しゃべるタイプなので、そうすると余計に脳が活性化されて…笑 ぼくはずっと不眠症気味なんですけど、確実にこの話が原因だと思います。本当に何とかしたいテーマです。

悪い事ばかりでは無く、こういうタイプだと自己分析した所で「ビジネスパーソンには向いてないけど、作家には向いてるかも知れない」と思いました。「作家性がある」というのは、個性とか技術とかアウトプットのクオリティの話が大半だと思いますが、ぼくはそういうのは二の次だと思ってて、作家に向いてるかどうかは、何と言うか「一人で机に向かうのが苦にならない」とか「プレッシャーを感じにくい」とか、あるいは「朝起きれない」とか「社交的じゃ無い」とか、そういう欠点で致し方なく作家になる、そういう事の方が本当なんじゃないかと思います。

このnoteも「書いてる時は、頭の中が静かになる」から、時間が空いてしまった時はnoteを書く様にしてます。

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