見出し画像

「左ききのエレン」連載1周年

cakesで連載中の「左ききのエレン」が連載1周年を迎える事ができました。

連載のきっかけは「読切」がnoteのコンテストで大賞を頂いた事で、当時はまだサラリーマンでした。

サラリーマンをしながら週一連載するのは、ぼくの例の画力でも難しいと思い、かなりの比重でエレンは脱サラの大きな理由になりました。

これは卑屈で言っているんじゃ無く、今となってはむしろ誇らしいとすら思っているのですが、脱サラ当初は「ちょっとバズっただけで馬鹿じゃないか」と周りの一定数には思われていたと思います。と言うのも、最近友達にそう思っていたとカミングアウトされる事が何度かあったからです。

「最初は馬鹿だと思ってたけど」と笑いながら言われる度に「うるせーよ」と言いながら心の中でガッツポーズをしています。

特に「左ききのエレン」はWEB連載です。まだまだ無名の漫画です。楽しみに読んで下さる人、シェアしてくれる人がいて成立する媒体。漫画は読者がいないと成立しないという話は昔から言われていますが、WEB連載はそこがより強調されています。

その中でも、ぼくは今読んでくださっている人たち全員と握手がしたいと思ってます。ハグしてもいい。泣きながら仕事について朝まで語りたい。

自分で言ってはいけない事かも知れませんが、エレンは読むのが難しい漫画です。内容が、ではありません。ぼくの絵、誤字が多い手書き文字、分かりづらいタイトル、挙げれば幾つもありますが、ぼくは自分の作品ながらも読むのが難しいなと思っています。

いや、本当は内容も、でした。目を背けたくなる部分に思い切り焦点を当てているし、時系列の構成も初見殺しになっています。

なので、今「左ききのエレン」を読んでくださっている人達は、物語を読む力が相当に長けている人だと思います。広告業界では「絵コンテを読む力」と言います。漫画業界で言えば編集者が持っている「ネームを読む力」かなと思います。とにかく、物語を読む事に長けている人だと思います。

必然的にクリエイティブに造詣がある人という事なので、内容と相まって結果的に著名なクリエイターの方々から順番に見つけて頂けたのかなと思っています。こういった幸運がいくつも重なっています。

最近どこかで見た文章で「デビューしたての漫画家は、まだ描き終えた作品が無いので読者が安心して読めない。本当に最後まで裏切らないのかという約束ができていない。」と書いてありました。ぼくはまさにそれです。

漫画家は全員そうだと思いますが、ぼくは「左ききのエレン」が世界一面白い漫画だと思ってます。ぼくが、ぼくのために描いているのだから当然です。実家のカレーが一番なのと同じです。

それでも、やっぱり「左ききのエレン」を読まない理由は挙げればキリが無い。画力に関しては努力が足りないと思って研究中です。でも最終回の時点でも「上手い」には行けないと思います。でも「見れる」にはするつもりです。

ぼくにとって世界で一番面白くて、でも類い稀なる読み辛さの「左ききのエレン」を、今読んでくださっている全員が大好きです。

読んで下さる人がいるという事は、表現する事を許されているという事です。表現する事を許されるという事は、存在を肯定してもらっている気持ちです。

もうすぐ、クライマックスの第8章がはじまります。そのあとは(予定では)最終章のみになります。

色々な所で言っていますが、最終回の最後のページまで連載開始からブレていません。ぼくは頭の中で最終回を何度も何度も咀嚼して、その度に泣いています。きっと、いまエレンを読んでくださっている皆さんにも気に入ってもらえると信じています。まだ、完結した長編が無い見習いですが、最後のページでガッカリさせない事だけはお約束します。まだお約束ができていませんが、お約束します。そこは何とか、お願いします。

最高にブリついたエレンでお願いします。

そこを何とか、今後ともよろしくお願いします。

サポートも嬉しいですが、よかったら単行本を買ってください!