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漫画を描き始めて、6年目に突入しました。

漫画家のかっぴーです。初心忘れるべからず、初めて漫画を世に出した日はnoteに記録されています。「フェイスブックポリス」という漫画です。

漫画を描き始めて6年目に突入です。この漫画が2015年9月で、独立はあっとう間で翌年2月。たった半年にも満たないチヤホヤで、よく独立を決意したものだと思います。これが後輩だったら絶対止めてる。

今日はエモい話では無く、現実的な話を書きます。

ぼくの会社、株式会社なつやすみは「夏休みの自由研究のように、思い切り自由につくったものが最強だ。」という想いで命名していますが、もう一つ裏の意味があります。それは、数年で漫画業が上手くいかなくなったとしても「なつやすみ、おわります。」と言えば、しれっとサラリーマンに戻れると思ったからです。最初の頃は、その確率がかなり高いと思っていました。

だって、脱サラする時に決まっていた事はcakesでの原作版「左ききのエレン」と、雑誌SPA!の連載だけですよ。原作版エレンなんて、色んな所で何度も書いてるけど2年くらい赤字でしたからね。劇中に登場するアート作品をアーティストに依頼したり、自分のお金でやっていたので。月の売上とか全然少なかったし。今はお陰様でcakesの売上だけでかなり稼げていますが、当時そうなるとは微塵も思ってなかったです。SPA!は条件が良かったので、独立当初を支えてくれました。

とにかく、長期的に仕事としてやれる自信はそんなに無く、なんとなくサラリーマン時代の月収を下回ればサラリーマンに戻ればいいか、くらいに思っていました。それがもう5年前の話で、今では当時想像もしなかった年収になりましたが、今度は別の不安が生まれました。ここまで年収が上がってくると、今度は「ここまで来たら、もう今のうちに一生分稼いでおきたい。」みたいな気持ちです。こんな成功が一生続く訳が無いと。サラリーマン時代からすると信じられないくらいの大金が口座に入ってるのに、それでもまだ足りない気がしてきました。

でも、ほんの数ヶ月前の事です。先月くらいかも。本当につい最近なんですが、新連載のネームを描いてた時に唐突にある考えが浮かんだんです。

「あ、一生いける。」って思いました。唐突にです。

ネームを描いてる時に、自分がサラリーマン時代とか、デビュー当時では不可能だった思考の整理とか定着力とか、表現の幅とか、そういった漫画に必要な感覚が身についてる事に気がついたんです。自分で言うとダサいのは分かりつつ、とにかく「失われない実力」があるって、自分で自分を認める事ができました。

お金だけで安心できないのは、理由がハッキリしてます。お金は減るからです。でも、やり続けて身についた感覚は絶対に失われません。

もちろん次回作がスベってコケるかも知れませんけどね、そういう事じゃないんです。地力の話で、失敗してもまた何度でも描ける確信というか、失敗が怖く無くなったんです。だから「一生いける。」と、ついに思う事ができました。

まぁ、とは言えメンヘラだし、漫画以外の創作に移行する事もあるかも知れませんが、とにかく「物語をつくる」という職能に関しては、もう絶対に失われないと確信しました。タラタラと長くなりましたが、そういう5年目でした。6年目がどうなるか分かりませんけど、伸び代しか無いので頑張ります!

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これからも、よろしくお願いします。

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