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全体像を見るということ

前回と前々回は、エネルギー消費量もCO2排出量について触れました。

以下は前回書こうと思って書ききれなかった続きの話です。

2つの記事で書いた通り、このエネルギー消費量やCO2排出量は、環境への影響を表す目安になります。

ただ、ここはかなり大事なポイントなのですが、どちらもそれぞれ、ある製品・物に対する環境への影響を表す1つの観点・指針にすぎません。ですから、「CO2排出量が低いから環境に良い」と言い切ってはいけないのです。

極端だけどすごく良い例は原子力発電ですね。原子力発電のCO2排出量はほぼゼロですが、環境に良いと認識されているでしょうか?

このように他の観点で良い評価を得ていても、ある観点の評価が悪いために環境に悪影響を与えると判断されるものは多くあります。

ですからEVやガソリン車の場合も、他の視点からも評価していかないといけません。

例えば、EVやガソリン車が道路を走って騒音や交通事故を起こすのであれば、人間の生活環境に悪影響を与えています。夜間に走っている時に使うライトが野生動物の生活リズムを狂わせるのなら、自然に影響を与えています。他にも、使用している材料の採掘が公害を出すものかもしれないし、どこかの森を壊しているのかもしれません。

他にも様々な可能性があります。ぜひご自身で考えてみてください。

それから、太陽光発電や風力発電は環境に良いと言われていますが、本当にそうでしょうか?太陽光発電をするために森や山を壊してパネルを設置したかもしれないし、風力発電のブレードに鳥がたくさんぶつかって死んでしまうような場所もあるかもしれません。

私は、環境問題を語る上では広い視野を持つこと、全体像を見ようとすることは絶対必須だと考えています。ひとつの観点についてだけ議論していてはいけないと思っています。

もし、専門家が「○○の値が良いからこれは環境に良い」と言っていても、どうか鵜呑みにしないでください。もしかしたら、その専門家は1つの視野を深めるタイプの人間で、他の影響なんて見えていないのかもしれません。

環境問題に限って言えば、専門家の主張より、あなたが感じる違和感の方が正しい可能性は大いにあるのです。


この記事は別ブログに書いたものを移行したものです。

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