そういうこともある

子育てをしていると、思い通りにいかないことをが沢山経験する。出かける予定をしていても、子供が突然体調不良になったり怪我をしたり、はたまた着ていた洋服を派手に汚して慌てて着替えるとなんてこともある。「えー?!このタイミングで?!」と戸惑いながら、約束していた相手に「ごめんね、実は。。。」と事情を伝えないといけない。どうにもならないことだと頭でわかっていても、心の中では「あーあ。。。」という消化不良の感情を引きずる。何度も繰り返していくうちに「そういうこともあるよね」と、ある種の開き直りにも、あきらめにも、悟りにも似たような気持ちがでてくる。

子育てだけでなく、人間関係でも、日常生活でも、目の前の状況で「そういうこともあるよね」と一旦受け入れ、手放すと楽になる。どう頑張っても、自分ではコントロール出来ない。自分の思い通りにならないから、と言って騒ぎ立てることでもない。じゃ仕方ないよね。そういうこともあるんだし。それまでイライラしていた気持ちが拍子抜けするくらい楽になる。

以前息子が学校で友達とちょっとした喧嘩になったと聞いた時に、本人から詳細を聞いてみた。担任からは電話連絡があり「大人」から詳細を聞いたけど、当事者である「子供」で「我が子」と向き合って話をする必要があるからだ。本当に些細なことで始まった言い合いが、エスカレートしたらしい。「あなたは今どんな気持ちなの?」と聞いてみると、息子の口から「楽しくない。」「○○君に悪いことした」「○○君とまた仲良く遊びたい」という言葉が出てきた。「多分○○君も同じことを考えていると思うよ。」と言ってみると、息子はまっすぐな視線をわたしに向けた。「明日学校に行った時にどうしたらいいと思う?」とまた問いかけると、うつむいてモジモジしている。「まず、おはようって言おうか」と提案してみる。「おはようなら言えるかな?」とまた聞いてみると、息子はトーン低めに「言える・・・」と返事をした。「じゃおはようを言ってみようね。昨日はごめんねって言うのは、大人でもドキドキしちゃうし勇気がいることだからね。心の中でよし言おうって思った時に、〇〇君の顔を見てごめんねって言ってみなさい。」息子の表情が明るくなった。そして「ママ、昨日はごめんねって言うのは、大人でもドキドキしちゃうし勇気がいることなの?」と息子に聞かれ「そうだよ。だって自分が間違えたことを伝えるって勇気がいるんだよ」と答えると、「へぇ、そうなんだ」という声が返ってきた。

間違いに気づくこともあるし、つまづくこともあるし、思い通りにいかないことも沢山ある。間違いに気づいて、そこから沢山学んで、やり直すこと、同じ間違いを繰り返さないように気を付けること、それが大事なんじゃないかなとわたしは常日頃思っている。ひとつの間違いをずっと引きずっていると、そこから抜け出せいない。トラウマになる可能性だってある。世の中には、小さなミスをわめきたてる人がたくさんいる。いつもそういう人が自分の意見の正当性をさわぎたてる姿を見かけると、「別に死ぬわけじゃないんだから、これぐらい大丈夫でしょ。器が小さいね」と頭の中で辛口の言葉がふと浮かぶ。「そういうこともあるじゃん」と心の中でつぶやきながら、わめきたてる人物を横目に、「ある種の反面教師だね」と思いながらそっとその場から立ち去ることにした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?