戻れない 小さく息をする虫

待て待て。それは違う。それではダメだ。

生まれながらケダモノだった、この一点は違う。あってはならない。なぜならば、一瞬でものその人が僕のことを良いと思ってくれたから。ケダモノの僕を良いと思ってしまったのだとしたら、その人の人生の汚点になってしまう。許されないことだ。

ケダモノなのに変わりはないが、それは自分でその姿を選んだだけだ。後天的なもので、決断の意図を取り違えた結果だ。取り違えないと自分を保てない弱さの表れだ。

弱さであろうと、やると言ったのは自分だ。弱い自分でもって80年走ると言ったのだ。いつまでやってるねんと言われて、死ぬまでやると言ったのだ。こっちは命かかってるねん。

もっとこう、惨めさを捨てたい。中途半端でありたくないな。どうせ離れていくのだから、侮蔑と嫌悪でもって迎え入れて欲しいよ。

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