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北京入院物語(91)
この旅行中で唯一個人的なことを書くとすれば、私の左手に異変が起こったことです。
それは西安に着いて旅館にとまった翌日のことです。
朝起きて、なんとなく予感がしたのです。
どういう予感かはうまくいえません。
ただその予感のままに左手を動かしてみたのです。
すると左手が握り締められたのです。
それまで私の左手の指というのは、手を広げ、おおきなソフトボールをそっと握る程度にしか指が曲がらなかったのです。
それが「グッ」と力が入りました。
指先が手の平に触るという感覚は、なじみのないものだけに変なものです。
しかし以前言ったように数日後にはそのことは当たり前のこととしてなじんでいました。
日常生活を送る上で、左手が握り締められたということがどういう意味を持つかというと、疑問です。
私の場合、筋萎縮はほぼ満遍なく起こっていましたので、一部の筋力が回復するということで、たちどころに生活の質が変わるほどADL(日常生活動作)が改善するということはなかったからです。
前にも書きましたが、プレドニゾを飲んでいたころにこういう回復を見せていたら、さぞ感激しただろうと思います。
北京入院物語(92)
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