明るい脳 02/2020

2月に読んだ本。

「ひとは情熱がなければ生きていけない」浅田 次郎
作者が自衛隊上がりであることは知っていたが、その理由について書かれていて驚いた。情熱的でロマンチックな一面と、暑苦しくもなく説教がましくもないバランスが心地いい。

「ぼくは勉強ができない」山田 詠美
ライ麦畑や長距離走者のように、素敵な主人公。学生時代に出会えればと思った。当時の自分が求めていた、誰も教えてくれなかった新たな目線を手に入れられただろうに。

「思い出トランプ」向田 邦子
実際に遭遇したかのようなに描かれる文章力。時代こそ違えど、周りにいたような、まるで自分自身のような登場人物たち。読んだ後の余韻たるや。短編集とは思えないイリュージョン。

「さくら」西 加奈子
読み始めは、少し文章が軽すぎるかなと感じたけれど、読み進めるほどに、物語に入り込んでいった。キャラクターの面白さと、インパクトのあるストーリー展開で読み切れた。

「アメリカひじき・火垂るの墓」野坂 昭如
アニメ映画でも有名な火垂るの墓は、日本人として、戦争の悲劇を知るために読み継がれるべき作品だと思う。戦争と戦後の繁栄、その影の部分を描いた作品群で、特に焼土層が心に残った。

「一瞬の風になれ」佐藤 多佳子
全3巻。こんなに一気に本を読んだのは、いつぶりだろう。無駄な表現がなく、リズム良く、ぐんぐん読める。陸上部に入ったような、爽快感。高校時代、部活に入っておけば良かったなぁ。

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