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昨年末のPFAS上映会のご報告

あけましておめでとうございます。安全な水を求める市民の会三鷹です。

私たちは、昨年12月3日に、「みんなでみず広場」で活動されている、中川崇先生をお招きして、琉球朝日放送が制作したドキュメンタリー映像「命ぬ水」~映し出された沖縄の50年~の上映会、そして中川先生の講演会で水のお話をしていただきました。

「命ぬ水」は、沖縄に集中する米軍基地から漏出したPFASによる水の汚染について、克明に記録したドキュメンタリーです。発がん性と発達毒性が確認されているPFASによる水の汚染は、沖縄の子供の成長に影響を与え、低体重が増えています。

米軍は、1967年、ベトナム戦争中に発生した、米空母フォレスタルの火災事故以降、PFASを含む泡消火剤を使用して、日常的に消火訓練を行っています。今ではすべての米軍基地で泡消火剤を使った消火訓練が義務付けられているため、米軍基地周辺の河川や、土壌、水源の汚染は深刻なものとなっています。

ドイツや韓国では、米軍基地内にその国の行政による立ち入り調査が行われたことがありますが、日本の場合は日米地位協定により、日本側が米軍基地内に立ち入って調査をすることができない状況が続いています。

子育てをする親や、飲食店を営む人々は、PFAS汚染に不安を感じて行政にかけあうも、納得のいく説明も対応も受けられず、さらに不安を募らせています。

そういった沖縄の人々の不安や怒りは、本土に暮らす私達にも共感できるものです。私達、「安全な水を求める市民の会三鷹」も、横田基地から漏出しているPFASの汚染に関して、三鷹市に要望書を出しておりますが、血液検査についても、横田基地への立ち入り調査の要請を出すことについても、積極的な回答を得られているわけではなく、曖昧な状況になっているからです。

この国は、いったい誰のために、何を守ろうとしているのかー

そんな事を考えさせられる内容の上映会でした。次に、中川崇先生による講演会では、浄水場での浄水や、水道事業にまつわるお話を主にお聞きしました。

原水の汚染が問題になっている場合、ゆっくり水をろ過する緩速ろ過では解決できず、最近ではほとんどの浄水場が急速ろ過に切り替わってきているそうで、水道水の匂いは塩素によるものだそうです。塩素の管理は厳しくなってきていますが、コロナ禍の影響で、塩素消毒されているから安心だ、と塩素への罪悪感が薄れたと、中川先生はおっしゃっています。

今は厚生労働省が水道事業を行っていますが、2023年6月の法改正により、今後は国土交通省が水道事業を担っていくとのこと。そして、水道衛生の管轄は環境省になるとのことでした。

数年前から、水道民営化の動きが強まり、水道料金が高くなったり、安全な水へのアクセスがより難しくなるのでは、という懸念がありますが、水道事業の管轄が変わるという事も、何か関係があるのかもしれませんね。眼を放さず、こちらも注視していくべき問題です。

開場にお越しいただいたお客様からは、「今回の講演会の内容は、今まで聞いた中でも一番良かった」というお声もいただき、大変有意義な内容になりました。温かいカンパのご支援も皆様からいただき、合計で11171円になりました。どうもありがとうございました。

今度は今年の2月12日に、諸永裕司先生の講演会を予定しております。
ご興味のある方は是非とも、足をお運びください。

今年も、「安全な水を求める市民の会三鷹」の活動を見守っていただけると幸いです。

講演中の中川先生と、真剣に話を聞くお客様


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