ちょっと先の妄想
今日もポカポカした暖かい日だった。日中はエアコンがいらないぐらい。昨日と同じようにベランダのベンチで日光浴。注文していた本も届いたのでそのまま読んだ。日差しが眩しすぎてながくは読めなかった。
たまたま、20年ぐらい前のイラストレーター年鑑も読んだ。今とは絵のトレンドや技術もちがって逆に新鮮だった。当時はやりはじめていたCGによるイラストレーションは、今見るととても古く感じられた。当時のCGはまだテクスチャもなくて、ツルツルした質感でいかにもコンピュータで作りました、という雰囲気だ。それが当時は最先端でカッコよかった。
20年もあればツールもテクノロジーも大きく変わる。それだけ表現の幅も広がっているのだろう。パソコンやタブレットも安価になって、絵を描くハードルも下がっているから、相対的に絵を描く人も増えているんだろう。昔は数十万円のパソコンが必要だったけれど、今はスマホでもキレイな絵が描ける。
逆に、水彩やインクで描かれたアナログな絵は、今見てもそれほど古さを感じなかった。昔からながく使われてきた画材は、時間の経過に耐えられる。20年前も今も、表現の幅はそれほど変わらない気がした。
そういう意味では、私が今iPadで描いている絵も、10年後ぐらいにはもう古く見えてしまうのだろうな。10年後にはまた新しい表現ができるツールが現れているだろう。最近はAIが自動的にイラストを作ったりもしているし、誰でも必要なときにサクッと絵を用意できるようになるかもしれない。そうなると、絵を描けるというスキルそのものの価値は下がってしまうだろうから、イラストレーターの働き方も変わるかもしれない。
ただ絵を描く以外のスキルや作家性が求められるかもしれないし、絵を描くことそのものを楽しむような趣味的な要素が強まるかもしれない。AIが描いた絵を人間が仕上げるといった「レタッチ」が重要になるかもしれないし、逆にAIが描けないようなアナログ画材の絵に原点回帰するかもしれない。
……今日はずっとそんな妄想をしていた。最終的に、「何のために絵を描いているんだっけ?」という問いが出てくるのだけれど、それはまた別の機会にまとめよう。