人間にも光合成が必要だろう。

　今朝はいつもよりちょっとだけ暖かかった。もうすぐ3月だ。春は近い。

　パートナーが買ってきてくれていたイチゴの苗。外は寒いから室内にしばらく置いていたら、すっかり花が咲き、そして白い花びらはもう散ろうとしていた。暖かい日差しに背中を押される形で、苗をベランダのプランターに植えかえた。実がなるほど大きくなってくれるだろうか。なるといいな。

　植えかえついでに、ベランダに置いている小さなベンチを朝日があたるところまで持って行った。陽にあたると思いのほかポカポカする。あまりに清々しくて気持ちいいので、コーヒーを淹れてきてベンチで飲んだ。おいしい。

　植物もそうだが、人間にも光合成が必要だろう。リモートワークと外出自粛で、気がつけばお日様に当たることをついつい忘れてしまう。世の中の変化やテクノロジーの進歩に、人間の進化が追いついていない、と言われているけれど、太陽もそんな感じだろう。人類は太陽と共に生きてきたはずだ。

　なんてことを考えながら、しばらく日光に照らされてほかほかしていた。エネルギーが満ちる感じがする。ベランダには、小さなオリーブの木やさらに小さなレモンの木もいて、日々ちょっとずつ大きくなっていっている。すっかりベランダの環境になじんでいる。

　気づけばもう来週から、私も新しい職場だ。なじむのにどれぐらいかかるだろう。すぐなじめるといいな。植えかえたイチゴの苗と、私と、どちらが先かな。