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『雨の科学−雲をつかむ話−』

こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。


今日は朝から雨。帰りかけの頃はやんでたものの、家に着くころにはまたしっかり降り始めてしまいました。


そんなこんなで、最近はすっかり梅雨っぽくなってきました。

先日は雨粒を観察しましたが・・・



今日は雨にまつわる一冊を紹介したいと思います。

その名も『雨の科学−雲をつかむ話−』。


(思いっきり個人的な意見ですが)気象学はとても難しい学問です。というのも、気象学を理解するには、複雑な物理学や数学の知識が必要不可欠となってくるからです。そのためか、ある程度深めに気象学を解説するための本になってくると、数式が普通に出てきますし、慣れないうちはなかなか読み進められません。

一方、そのような数式を省いて解説する本というのもありますが、それだとあまりにも味気ないというか、内容が薄すぎるものとなってしまっているものが多いように思います。


そんななか、この『雨の科学−雲をつかむ話−』は、ちょうどいいバランスで書き上げられた、とても読みやすい本だと思います。(たしか・・・)数式は出てこない、だけど挿絵や写真をふんだんにまじえながら、少し踏み込んだ内容について解説されています。


何より、著者の方から語りかけられているような文体が、読んでいて心地よいです。

そして、文章内で幾度も繰り返される「不思議」という言葉。(直接面識があるわけではありませんが、)著者の方は、気象学を長年リードされていた方で、もちろん気象学に対する造詣が深いはずです。それにも関わらず、物事に対して「不思議」を思う心を忘れない、あるいは、読者にその思いを持ってもらうことを忘れないような書き方が、とても印象に残ってます。


この本は昨年、文庫化されました。

出版社の垣根を超えた文庫化を果たしたことからも、この本がさまざまな人に愛されていることを表しているように思います。

※こちらの文庫版の解説では、最近の研究等についても少し追加されていて、また、著者の方のお人柄についても紹介されています。


文庫版の出版を知ったとき、とても嬉しかったです。というのも、この本は私が学生時代に所属していたゼミで、初めて輪読した本だったからです。各章の内容を踏まえて先生やゼミ生の前でいろいろとお話しして、先生にツッコまれたりなじられたり怒られたり・・・。

とまぁ、楽しい思い出ばかりではなかったような気がしますが、今ふりかえると、「気象について誰かに語る」という機会はあれが初めてだったんじゃないかと思います。そう考えると、「気象について誰かに語る」生活をしている自分にとって、原点のようなものなのかな・・・と思います。


外出自粛が続いて読書が捗る生活を続けていたなか、久々に読み返して思うところがあったので、書いてみました。



そんな、今日このごろ

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