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4月12日~13日の黄砂

こんにちは、nooooon(@nooooon_met)です。


今月12日から13日にかけて、日本国内の広い範囲で黄砂が観測され、私の住んでいる関東でも空が黄色っぽくなりました。見だし画像もその時撮ったものです。

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黄砂とは、東アジアの砂漠等から吹き上げられた砂じんが上空の西風によって運ばれてくるものです。

東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により吹き上げられた多量の砂じん(砂やちり)が、上空の風によって運ばれ、浮遊しつつ降下する現象を指します。

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当時、寒冷前線が中国東北区から東進して日本を通過していくような気象状況となっており、

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気象衛星のトゥルーカラー再現画像を見ると、前線付近の雲域(白色)の後面に黄土色の領域が広がっています

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前線の真後ろにあたる赤破線の領域だけではなく、少し離れた青破線の領域でも巻き上がっているのが分かりますね。

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黄砂観測実況図でも、黄砂観測地点が西から東に移ってきていたことが分かります。

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全国各地にある管区気象台や地方気象台の一部では、目視による黄砂の観測が行われています。広島市内にある広島地方気象台での目視観測結果を確認すると、12日9時50分から黄砂が観測されていました。

※記事欄で、四角形の中にアルファベットのSを書いたような記号がありますが、これが黄砂を示しています。「≧10」というのは、水平視程(見通し)が10km以上であることを示します。


また、黄砂を観測する手段としては、上で示した目視によるもの以外に、レーザー光を用いた「ライダー」という光学機器によるものがあります。
環境省が黄砂モニタリングネットワーク構築の一環として島根県下に設置したライダーの観測結果を見ると、12日00UTC~13日15UTC頃まで、高度2.0km以下で
・上段:青から黄緑の領域が見られる。
・中段:値が0.1以上を表すような色の領域が見られる。
・下段:値がやや大きな青色の領域が見られる。
となっており、黄砂にあたるものが捉えられていたのだと考えられます。
※図の見方については、国立環境研究所HPで解説されています。

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目に見えないものを捉えるあたり、雨雲を捉える気象レーダーに通じるものがある感じがして、個人的には好きです。


黄砂についての観測情報や予測情報は、環境省と気象庁によって提供されています。

また、九州大学が中心となって開発されているSPRINTARSという数値モデルによる予測も公開されています。


黄砂飛来の見通しについてニュースで取り上げられているときは、これらの情報を活かしてみるとよいかもしれません。



そんな、今日このごろ

1:画像は気象庁HPから。→https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosa/obs/japan.html

2:気象庁HPから引用(2023.4.23、閲覧)。→https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/aerosolhp/index.html

3:画像は気象庁HPから。→https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/wxchart/quickmonthly.html

4:画像は気象庁HPから。→https://www.data.jma.go.jp/env/kosa/himawari/himawari-TRM.html

5:2023年4月11日17時のトゥルーカラー再現画像に一部加筆。→https://www.data.jma.go.jp/env/kosa/himawari/himawari-TRM.html

6:画像は国立環境研究所HPから。→https://www-lidar.nies.go.jp/Matsue/index-j.html

4、5のトゥルーカラー再現画像は、気象庁とNOAA/NESDISとの協力により開発され、レイリー散乱補正のためのソフトウェアは、NOAA/NESDISとCSU/CIRAから気象庁気象衛星センターに提供されたものです。詳しくは気象庁HPをご覧ください。
https://www.data.jma.go.jp/sat_info/himawari/TCR.html