地形と降水
こんばんは、nooooon(@nooooon_met)です。
日本の南に梅雨前線があり、まとまった降水域が西進しています。
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そんななか、『雨雲の動き』を見てみると、少し気になるところが。
※2(時刻表示がおかしいですが、データとしては5分毎になっているようです・・・)
高知県や徳島県の南東側の沿岸部で、降水強度が強まっています(下図の赤破線内)。
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『今後の雨』を見てみると、一部の地域では、1時間に40ミリ程度の激しい雨が降ったと解析されているところもありました。3時間降水量は100ミリ越え。
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さて、この地域では、周辺と比べて際立って降水量が多くなっています。これはどうしてなのでしょうか。
多くの雨を降らせるような雲が発生するための条件のひとつとして、その場所の地上付近(下層)に上昇気流が存在する必要があります。
この上昇気流は、例えば風と風がぶつかり合うことで生じます。下層でぶつかり合うと、同じ高さや下の方には逃げ場がないので、上に向かって風が流れていく、すなわち上昇気流が発生することになります。
そして、上昇気流が発生するためのそのほかの要因としては、山に向かって風が吹きつけるというものもあります。こちらも、上記と同じようなイメージで上昇気流が発生する・・・ということになります。
ここで、あらためて天気図を見てみると、西日本から東日本にかけての太平洋側では、東風や南東風が吹きやすい状況になっていると考えられます(下図の茶色矢印。大雑把ですが)。
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そして、今回、降水強度が強くなっている高知県や徳島県の南東沿岸部というのは、沿岸部に比較的近いところから標高が高くなっていく地形となっています。
つまり、標高の高くなっているところに風が吹きつけることで雲が発達し、降水量が多くなったのではないかと考えられます。
このように、地形の影響でもたらされる特徴的な降水は、地形性降水と呼ばれたりします。
南東斜面で降水量が多くなるという地域はほかにもいくつかあり、紀伊半島などが挙げられます。
直近の『天気分布予報』では、紀伊半島の南東斜面で降水量が多くなると予想されており、三重県南部では早期注意情報で大雨「中」となっています。
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梅雨機に入り、雨天が増えてくるかと思いますが、災害が発生しないことを祈る日々です。
そんな、今日このごろ
※画像は気象庁HPから
1・6:一部、線を加筆→https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/
7→https://www.jma.go.jp/bosai/wdist/#zoom:7/lat:33.477272/lon:133.972778/colordepth:normal/elements:wm
8→https://www.jma.go.jp/bosai/warning/#area_type=offices&area_code=240000&lang=ja