【ソロジャーナル】Journeyプレイまとめ
⚫️ 作品紹介
■ 私は決して、新天地をこの目で見ることはないだろう / ジャーナリングRPG
「JOURNEY」でのあなたは、世代間宇宙船に乗船した歌人。世代間宇宙船とは、地球に変わる新天地に向けて出発し、宇宙船の中で世代交代を果たしながら長期間の航行を行うことを目的としている。このジャーナリングRPGは旅に出た最初の2週間を、俳句や俳文形式で、思い出と記憶、希望と経験を記録していくジャーナリングRPG。俳文を推してくるとは珍しい。
⚫️ JOURNEY プレイログ
◾️ No.0
◾️ No.0-TRANSCRIPT
宇宙から掬い放たれ、星魚
We are scooped up
Swimming into a new universe.
Our star fish
僕は王十字・A・ホアン。名前にだけ威厳がある30代のドキュメンタリー映画監督。
ジーンテクノに関するドキュメンタリーが賞を受賞した日に離婚が成立し、世代交代船のチケットを貰えた。パートナーは不在だけど……。
こんなバカでかい船をどう打ち上げるのかと思えば、回転式軌道エレベーター!?
◾️ No.1
◾️ No.1-TRANSCRIPT
揺籠に帰れぬ僕ら、夢遊する
We who cannot return to Mother's cradle,
To get in shape,
We are playing in our dreams
衛生ドロイドの診察を受けたら、重力枯渇症なる謎の病名を告げられた。人類の足裏には秘密のプラグがあり、地球に差していないと体内の電気的バランスが整わないとか。思わず足裏を見ると……という夢だった。
地上のように、睡眠導入アロマは散布できない。マスクを使って吸引……電子タバコの類か?
◾️ No.2
◾️ No.2-TRANSCRIPT
重力と解釈だけが、壁越える
A song that speaks for gravity and emotion,
The walls of people's closed minds,
and jump over dimensions
無機質なJデッキ・ガーデンも、ようやく満開だ。最初にジニアとは、植物学者は古典を押さえていると褒めたのに本人は浮かない顔。初期に同僚と口論をして以来、関係性が悪化していた。
翻訳ツール経由では、言葉も直球か。密かに違うライブラリーを設定しておいた。
赤面する2人を見るに、効果絶大。
私なら、酒と音楽と絶叫だ。
◾️ No.3
◾️ No.3-TRANSCRIPT
言の葉に、想いも星も乗せていく
On earth or in the Space
The significance of the word is
Will never be shaken
自分が仕込んだ側だけど、翻訳ツールを介さずに母国語以外で会話できるようになりたいとは思う。
実は映画の影響で、フィンランド語を習得することに憧れはあった。
今から?
ラウンジのアペルシンに話しかけて気づいたが、猫との会話にも無意識にツール使ってる。
猫にまで諭されるとは思わなかった。
◾️ No.4
◾️ No.4-TRANSCRIPT
内宇宙、探すは蜘蛛の糸か、道?
Training the Mind.
Is it the thread that scoops you up that you look for there,
or is it the path that keeps you going?
船内の緊急警報は、大気を震わす轟のよう。
私は技術スタッフではなく、新天地に持ち込む文化アーカイブを潤わす幸運な乗客者だ。これから何世代も旅するのだから、こんな警報はこれからも鳴る。
デカくなりすぎた電車や飛行機みたいなものか?
クルー達の安堵の表情を見るに、大きな問題はないようだ。
◾️ No.5
◾️ No.5-TRANSCRIPT
涙雨。恵みならざる、時を経て
Rain of tears.
Now it's not a rain of blessings.
But the future is different.
Eデッキの展望ラウンジで、結婚式。
世代交代船なのだから、この光景は当然だ。
もう忘れたと思っていたが、自分の結婚式を思い出す。あと、あの出来事もだ。
助けてくれたのは、1本の電話。そこから映画監督としてガムシャラに働いた。
ふと、悲しみにくれる人を見た。
何となく、スイッチを入れる。
◾️ No.6
◾️ No.6-TRANSCRIPT
ヴェール越し、触れて感じる深藍を
Through the veil,
the deep coldness of the universe
that you feel by touch.
そうそう、宇宙船の壁に触るのは初めてだった。
自分の居住区画のドアがね。しっかりと記録しておいた。
こういう事態は、数年先かと思っていたけどね。
で、クルーが来る間に触った。ドアもそうだけど、宇宙と隔てる壁も想像以上に薄い。
欠陥?もしくはエコ?
もし、ケチらず使えるなら今は水だ。
◾️ No.7
◾️ No.7-TRANSCRIPT
幻光を、宙は飲み込み灰青く
The phantom light is not full.
The universe is dark and deep
Paint the hearts of men with gray-blue anxiety
どうやら、以前夢で見た重力渇望症は他の人達も患っていたらしい。ビューボードでどのカメラに切り替えても映る地球がかなり小さくなり、誰もがピリピリしていた。
人としてのネガティブが渦巻き始めている。
ビートと光と詩で、人じゃない感情を引き出せるかもと思った。
そんな、レクレーションを。
◾️ No.8
◾️ No.8-TRANSCRIPT
遥かなる底に届かぬ、塩味が
Popcorn in Space,
Think of home.
Tears intensify the taste of salt.
フィジカルではなく、メンタルからくる調子の悪さ。まさか、宇宙船で映画と塩味のポップコーンを堪能してしまった。
地上にいた頃は、こんな感じに調子が悪いときは人に見せない映画を撮っていたかなぁ。あ、ストレージを消してこなかった。まぁ、誰も漁らないか。
キャラメル味もをリクエストしとこ。
◾️ No.9
◾️ No.9-TRANSCRIPT
渦巻いて見い出す言葉、極彩か?
Swirling like the universe
Words found in my head
Are they Richly colored?
文字を見い出すとか、記録したいっていうのは、私にとって呼吸の仕方みたいなものかも?
ソレを色や絵に捉える……同じようで違うんだと思った。
何だろう、右手と左手的な?
りんごと青りんご的な?
納得できる例えが今日は閃かない。
今回は改めて、自分の創作論を言語化するのは難しいと感じた。
◾️ No.10
◾️ No.10-TRANSCRIPT
仮想海、漂う想い投網打つ
Drifting in a virtual sea,
People's likes and hobbies
Striking the cast net of consciousness.
人の習慣による執念ってすごい。
何がってSNSだ。
世代交代船にそんな機能はなく、エンジニアグループが代替マイクロメッセージングシステムを完成させる。でも、食べ物やアペルシンの写真でフィードを埋まってない!
地上にいた頃は、承認欲求の赴くままショート動画をUPしていた。
今は猫動画に注力しよう。
◾️ No.11
◾️ No.11-TRANSCRIPT
ビー玉に、これが世界と詰め込まれ
Humans, even in a world as small as a marble
Can never be resolved peacefully.
Like a child tempted to play with marbles
統制AIのスピーチは、地球が完全に見えなくなった後だった。
人種も階級も身分も関係なく?
箱庭ならぬ方舟なら可能と言うのだ。
まぁ、不平等の原因なんて人為的介入だし。その件に関する子供の話は、未だに元夫婦のブラックボックス。AIは神になれる?
結局、人は悪意の蜜から逃れられないんだ。
◾️ No.12
◾️ No.12-TRANSCRIPT
過去未来、焚き火の前で歌に編む
Even if it is in the past and the future comes,
People are in front of the fiery warmth,
Together, hand in hand, we sing a song
この間のスピーチが、人類には金言? 館内スタッフ以外の間でも色々と意識するようになった。ソレで生まれたのが、談話室のAR焚き火。宇宙まで来て、焚き火を見るとは思わなかった。
火ではなく電子の燈表現。薪が爆ぜる音まで完璧だ。
でも、あの全員で歌を歌う雰囲気は苦手。常に創作は独りだった。
◾️ No.13
◾️ No.13-TRANSCRIPT
夜雲まで 照らす灯りを かき消して
Clouds in the night hiding the moon.
I want to drown out the light that shines.
I don't want to show the moon.
人前で俳句を詠むのは、全然苦じゃない。
何故、人の前で詩を披露するのに抵抗感があった?
正直、AR焚き火の雰囲気に後押しされた気がする。
自分の心の中を他人にさらすような感覚だから?
抱え込んでいる感情を他人に見せたくない?
やめだやめ。
深く掘り下げても、後で読み返して悶絶するだけだ。
それは自分の背後で太陽のように照らしている
右足から一歩を踏み出した時
初めて一人で旅に出た時
一時の夜の落雷に心細かった時
誰からも疎外されて独りになった時
あなたはその光をのみ込んだ
いつか一度きりの死が訪れても
誰もがハンカチを目元にあてても
一粒の涙も溢れないだろう
あなたは雨雲から差し込んだ一筋の光を見上げている
光は祈りとなって共にある
◾️ No.14
◾️ No.14-TRANSCRIPT
微睡と悲しみループ、黒檀で
People repeat a little sleep and sadness.
It is no different in a universe like ebony.
In the loop, we always find the answer.
俳句を書き残す最初のシーズンが終わる。17文字に風景や光景を凝縮して残すのは、とても新鮮だった(猫以外の日常動画素材も残してる)。
文化的目的の他に、これから強まるだろう閉塞感、人為的エラー等で不安が増した際の、振り返りにも利用できそうだ。
次世代が育つ間の、メンタルの基準地点的な?
⚫️ プレイし終えて
久しぶりにサイコロもトランプも使わない、最初から最後までプロンプトが定義されているゲームでした。
しかも、新天地はおろか次世代へのバトンタッチシーンすらありません。
地球を離れて、最初の2週間までの記録なのです。
そのプロンプトは、キャラクターのみならずプレイヤー自身の振り返りをさせようというパワーがありました。
そのため、普通のゲームに比べて少し時間がかかるかもしれません。
感情的安全性ツールを、身近に置いておくことをオススメします。
とはいえ、SF(もしくは宇宙)を17字で表現しようとする試みは、とても新鮮で面白かったです。