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カロク採訪記

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東京の災禍の歴史をたどり、それに向き合う人びとと出会い、記憶の地層を掘り起こす。2022年からはじまった事業「カロクリサイクル」に関わるレポートです。 https://www.…
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#東京都復興記念館

100年後の祈りと怒号 [東京都慰霊堂・復興記念館]

2023年9月1日 カロク採訪記 柴田成(研究者/ライター) 初めての秋季慰霊大法要 2023年9月1日。関東大震災の発災からちょうど100年後となるこの日、私は墨田区両国にいた。神奈川県出身の私にとって、両国といえば国技館か江戸東京博物館。しかしこの日の目的地はそのどちらでもなく、JR両国駅から歩いて10分の場所にある横網町公園であった。都市の記録やそこで暮らす人の記憶に興味があった私は、今年の夏からNOOK のアートプロジェクトにいくつか参加させていただいている。 公

ふたつの災禍の痕跡を辿る

2022年5月14日 カロク採訪記 瀬尾夏美 下町地域のまち歩き、ふたつの災禍をめぐる 東京空襲と関東大震災の記憶を辿るまち歩き(公益財団法人東京慰霊協会主催)に参加。あいにくの雨。 関東大震災:1923(大正12)年9月1日、推定10万5千人が死亡 東京空襲:東京都は1944年(昭和19年)11月24日から1945年(昭和20年)8月15日までに、106回の空襲を受け、推定11万5千人以上が死亡。とくに3月10日の下町地域への空襲では、推定10万人以上が死亡。   集