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アンナチュラル・MIU404は未来へのメッセージ

こんにちは。のいもいです。
前回、『MIU404の最高を語りたい』という記事で、全然最高さが書けていなくて、「いやいや最高なのはもっともっとあるよ!」と自分で突っ込みました。だって、【エモい】ポイント満載すぎて、全部書いたら1話1話、毎回記事にできるくらいありますよね?ね?

今、MIU404の闇部分に思うことも書いていますが、先に言っておきたい。『アンナチュラル・MIU404は未来へのメッセージ』ではないかと。

1.リアル感

ドラマという枠なので、もちろん架空の組織で働いてはいますが、とてもリアル感のあるのがこの二つだと思います。

ちなみに、普段ほぼドラマを見ていないですが、一応私が見たドラマの中で好きと公言しているものはこんな感じです。
火村英生の事件簿
MR.BRAIN(ミスターブレイン)
・TRICK
・SPEC
・踊る大捜査線
・メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断

※地上波放送分で全話みたものに絞っています。科捜研や相棒、時効警察、ショコラティエも見ていますが、毎回追えていないので今回外しました。六角さん大好きです。

私の好きなドラマの大きな傾向として、まず『推理もの』という所が一つ。そして、警察・医療関係ですね。ゆえに、MIU404の配役は色々と歓喜な部分もありましたが、アンナチュラルやMIU404もやはり犯人や死因を追っていく過程で『推理』や『仮設』を立てる事はもちろんあります。しかし、二つのドラマには、他のドラマと圧倒的に違う部分があったと思っています。

・推理シーンでの決め台詞がない
・主要人物の心の声がない

あくまでもドラマ内での世界戦上で各人物たちがナチュラルな生き方だった。各登場人物が口から話したこと以外、声として聞こえてこない。現実世界と同じ。
アンナチュラルはよりそれが顕著で、聞き取れないくらいの雑談もカットされずに入っている。あの登場人物たちが生々しく生きている様子が、現実世界の私たちとそう変わらない世界線のどこかであったんだと思わせる演出じゃないかと。

MIUでは特に、志摩や伊吹が何を考えているのか、その表情や声色、仕草からしか読み取るしかありません。何を考えていようが、事実として起きた事しか見えないのです。
それによりリアルさを掻き立てられて、とてもハラハラしたり、きゅんきゅんしたり、涙したり、リアルな感情のリンクに繋がったと思っています。

役者さん方の台詞のひとつひとつ、動き、血走った目や、指での視線誘導、呼吸ひとつ、本当に凄いです。

2.現実に起きている事とのリンク

前回の記事でも書きましたが、ツイッターやYouTubeといったメディアが名前を変えて登場しています。炎上や個人情報の特定、晒され、格安ドラッグ、多くの他の作品にも登場していますが、それが1.リアル感とマッチしてしていた。私たちの背中には、いつでも犯罪が静かに迫ってきている。
アンナチュラルでは『新型』ではないですがコロナウイルスが題材にされ、そこでの誹謗中傷が今現実でも起きています。まさかあの時、コロナウイルスが現実にこれほど蔓延するなんで思いもしませんでしたが、今起きていることは、ドラマの中でとても鮮明に描かれていました。

また、動画配信サイトやカメラ、スマートフォンなどの普及で、誰もがクリエイターや発信者になれる時代です。
私の子供も、生まれてすぐに携帯端末が溢れ出し、今ではYouTubeで人気のユーチューバーさんを追いかけています。それ自体は好きなアイドルがいたり、好きな作家さんがいたりすることと同じで、趣味として良いのですが、ある時子供に言われました。

「〇〇が危ないんだって!ママ知らないとやばいよ!」

おそらく同じ経験をされた方はいらっしゃると思います。ネット上で見た情報を子供は信じ切っていて、実際にそれが危ないと思っていました。(※その時は、それはデマだという根拠が私の中にあったので、子供にわかるように説明しました)
私個人も、そうした目で見られたことがあります。(整形したよね?と言われたことが何度かあり、ただの体型の変化の一環と、まぁ人並みに化粧を覚えただけで、整形は全くしていないので他人の勝手な思い込みですが、それをもし広められてしまえば、簡単に私は整形している事にされてしまう。※この文は決して整形自体を否定するものではありません)

RECがしたように、ある事実が点として存在していたとして、主観でその点と点を強引に結びつけた情報を鵜呑みしては、危ない。
本来そこには検証という作業を経て、どんな目的で検証するかで結果はいくらでも変わる。ダイヤモンドと鉛筆の芯が同じ炭素という物質ですが、炭素という物質で見れば同じですが、それぞれはまったく別物であるように。

私を含め、多くの人が情報発信できるようになった時代。善意が悪意に使われてしまう悲しい事もあります。だからこそ、久住の行いやRECやナリくんを通して、戒めとして見せつけられた気持ちでした。

3.ハラスメントと線引き、そして歩み寄り

「あ、ごめん今のセクハラか!忘れて!」
「パワハラになってない?」
これはミコトと桔梗隊長の、それぞれ男性部下に対する台詞です。
ハラスメントは性別関係なく、相手の尊厳を奪い行為です。それに対する気遣いの言葉に、正直私は、志摩も六郎も相手に好意を抱いているので「今のがハラスメントか?」と驚いた台詞でしたが、よく考えれば、ミコトも桔梗隊長も相手が自分に好意を抱いているとは知らないし、相手が誰であれ、気をつける場面でした。私は反省しました。

また、ミコトの台詞で好きなものの一つで「女性がどんな服を着ていようが、酔っ払っていようが、同意のない性行為は犯罪です」という台詞。東海林が睡眠薬を飲まされホテルに連れ込まれた際の、毛利刑事が「そんな服着てるから」という言葉に対しての反論でした。
普段言いたくても言えない言葉だったりする言葉を、ドラマの中で当たり前として放ってくれたミコトに、何度も頷きました。

MIUでも、九ちゃんが陣馬さんからの様々な誘いを断っています。しかし、途中から「筋トレなら付き合います」と歩み寄っていました。
飲み会や誘う事自体ではなく、あくまでも強要する事が問題だと思っています。自分の価値観が全てではない。様々な考え方があり、付き合い方への線引きも人それぞれ。一線を設けつつも、お互いに必要と思えば尊重しながら線の引き方、引く場所を変えていければ良いのかなと、改めてそう思いました。

桔梗隊長と豆治さんのやりとりもそうですね。しかし、桔梗隊長が折れずに意見する所は、隊長として人として、より良い方へ行くことを願っての想いからですよね。
MIU最終回での桔梗隊長の台詞で「体面を優先するなら、私達はなんの為にいるんですか?小さな正義を積み上げたその先に、少しでも明るい未来があるんじゃないですか?」これは涙が止まりませんでした。
ハラスメントがなぜだめなのか、ハラスメントを受けた被害者は、人としての明るい未来への選択を、加害者に奪われるからだと思っています。
桔梗隊長の言葉で、一度廊下を止まった後に歩み出し(ここの背中だけのシーンが大好き)、部屋で豆治さんが発した言葉は「しかしもかかしもない!今は未来を優先!」これは痺れました。最後にパワハラを気にしていたのが分かって、少しこの人の背景も知りたくなりました。

少しでも、明るい未来がいい。

ミコト
「法医学は未来のための仕事」
ハムちゃん
「正しい事をした人が認められて、安心してくらせる社会がいいな」

ドラマのテーマはまだ別にあるかもしれません。
でも、この台詞から、きっとふたつのドラマは私達に未来を向けと言っている気がするのです。

混沌とした社会に根付いた古い厄介事を、一つ一つ変えてきてくれた先人たちのおかげで、今がある。

今がベストではないと思う。
まさに今、戦っている人たちがいる。

世の中は様々なことで揺れ動き、不安定です。
それでも、未来を見据えて、少しでも明るい未来を目指していけたらいいなと思っています。
私一人では成し遂げられなくても、今の私の身近な所から、手の届く範囲から、何ができるだろうかと日々模索しながら、未来に向かっていきたい。

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