ルイボスティーを初めて飲んだのは、今から二十年ほど前。 職場の先輩に「ここのラーメン屋、最近できたんだけど旨いんだよ」と半ば強制的に連行された。当時、私にとって平日昼間のラーメン屋はまだ男性領域。その頃かなりの斬新さで登場したのが、一風堂の横浜店だった。 黒を基調としたインテリアで、照明は少し暗くて落ち着いた雰囲気。一段高くなった厨房はラーメン屋の台所というよりダイニングキッチンで、さながら人気イタリアンのよう。客席には強烈に博多とんこつスープの匂いが漂ってきて、視覚と嗅
土曜午後、地元のとある小さな駅にて。いつもの10倍以上の人、ひと、ヒト。しかもみんな若者。そのうちの一人が、⚪︎⚪︎祭と10月に不釣り合いなうちわを持っていて気づいた。なるほど、文化祭の季節だ。 大勢が一列になり、狭い歩道を同じ方向へと歩いていく。みな一様に、ひとつの祭りを心待ちにいそいそと歩みを進める。道中、すでに帰路についている者と交錯し、狭い道が前後にごった返す。まるで参勤交代の宿場町だ。 県内随一の進学校。夢を膨らませる受験生、成長を見守る親、恋愛したい高校生。いろ
箱根に日帰り温泉に行ってきた。行くのはだいたい、疲れているとき。電車に乗って揺られて、仕事や今日の夕飯のことは忘れて、ただ湯に浸かりたい。いわば6時間の逃避行を求むとき。 小田原駅で乗り換える。JRの改札で、いつものでっかい小田原ちょうちんが出迎えてくれる。今日はちょいと旅へ来たのかい、ようこそようこそ、て感じで、県内移動なのに違う国へ来た感覚にニヤッとする。箱根登山線に乗り換えて湯本へ。車内は、ここはヨーロッパの登山鉄道か!と思うほど外国人観光客でいっぱいだった。今は世界
熱気と湿気で身体がひん曲がるのではないかと思うほど、今年の夏も暑かった。10月に入り、昨日まで半袖だったのに、今日はしとしと小雨が降っている。車が水溜まりのできた裏通りをシャーッと走る音が何度も聞こえてくる。 冷房をつけなくても生きていられる。ホットコーヒーもホットミルクも美味しい。今度の日曜どこ行こう、という気分になる。ほしかったのはこんな気温と時間だ。 引っ越してきたこの家で一番好きな場所は台所だ。洗い物をしながら窓を開けると、お隣さんとそのお隣さんの屋根がコンニチハ
文章アウトプット始めてみます。作家の今村翔吾さんが言っていたみたいに、文章には山のマラソンのように持久力と忍耐力が必要だ。 うんうん。 夏葉社の島田さんが言っていたように、スケッチするみたいに。 毎日できるかな。 山の下から、はじめます。