ジャケット

同人乙女向けキャラソンCDが生まれるまでの過程

2019年11月23日、APOLLO10にて新作マナルモノディアを頒布いたしました。
サークル初の歌がメインのオリジナルキャラソン風ヴォーカルCDです。このなんちゃらCDの部分は書くたびに毎回変わってる気がするので、いい加減表記を統一させたい。
イベントや発送作業などが落ち着いたので、この作品ができるまでの過程を整理がてらつらつら書いていこうと思います。

■企画立ち上げのきっかけ

もともと女性向けの作品が好きなのですが、1年前の今頃、ちょうどRejetさん(※女性向けコンテンツの制作会社)の作品にはまっていました。
特に好きだったのがこれ、ディア❤ヴォーカリストシリーズ。

男性声優さんがメインのCDなんですが主題歌なるものがあって、そちらは女性の方が歌っています。
かっこよくないですか……?
このPVだけで色々と想像が掻き立てられます。

ちなみに自分の推しは豊永さん演じるドSキャラのモモチです。

かっこいい~~~~~~~~

このシリーズはそれぞれの声優さんが演じるキャラが歌うCD、というコンセプトなのですが、「なぜ彼らは歌うのか」という設定が存在しています。
一作目時点では、ヴォーカルの存続を賭けた最後のチャンスという緊迫感の中で歌っています。
そういう裏があるおかげで、歌の意味がより味わい深いものになっていて作品として楽しい。
さらにシチュエーションボイスパートもあって、歌のCDだけど乙女向けという部分を両立させていて満足度が高い。

これを同人作品でもできないかな~~と思ったのが、マナルモノディアの出発点です。

■歌う"動機付け"

まず起点にしたのは、世界観の要となる「歌う動機」。
先ほど紹介したディア❤ヴォーカリストでは、彼らはもともとヴォーカリストで自身の存続の為に、または彼女である聞き手の為に歌っています。

何のために歌うのか?なぜ歌うのか?
という部分から考え始めてみることにしました。
めちゃくちゃ迷走します。

・第一案:異性の歌を聞かないと生きていくことができなくなった女性の世界

男性の歌を聞いていないと女性(主人公=聞き手)が弱って命が尽きてしまうといういきなりファンタジー設定。キャラに依存せざるを得ないという状況を生み出したかったゆえの内容で結構無理がある。
「常に聞いてないとだめなの?どのくらい聞いてないと死んじゃうの?会話してる途中でいきなり歌ってもらうの?ミュージカルじゃない?」
光の速さで生まれ、光の速さで没になりました。

・第二案:歌に特別な力がある世界で、歌った人間の望みが世界を変貌させる

ファンタジー寄りからは外れることなく、次は歌そのものがなんかすごいという世界。
「歌う人間みんながそんな大きな力持ってたら、収拾つかなさそう。というかバトルものになりそう。歌で争うみたいな。それなんてヒプ×イ?」
当時ヒ×マイも流行っていました。今も衰えることなく人気ですね。
それはさておき主人公の存在意義が薄くなりそうだったので没に。
ただ、この時の設定で生まれた【ヒトでないモノに変容する、ヒトという存在から解き放たれる。=魔なるもの?】
という部分が、【マナルモノディア】のタイトル由来になりました。
解き放たれる、解放という部分も残して引き継ぎます。

・第三案:人々が眠りについた夢の世界で、全ての人を目覚めさせる為の歌を探す

徐々に現在の設定に近づいてきます。

"その夢は匂いも、味も、温度も、感じられない。刺激のない世界で人々は、おだやかに死を望む。
眠りから目覚めさせる歌を探し求めるキャラ達と、このまま平和な夢から目覚めたくないあなた。"

という、こちらはキャラと目的が合わずに対立する設定です。
対立構造・敵対関係もまた性癖に刺さるシチュエーションですが、残念ながら今回は最初に出会うキャラとは協力関係にさせたかったので不採用です。

この設定をもとに、現状の設定へブラッシュアップしました。

・最終案:×××の世界で、人々を解放する為の歌を探す

この世界では歌以外の娯楽がなく、歌う事は生きる事と同義という「音楽が全てを占める」という設定で落ち着きました。
今作のCDでは世界の全貌や彼らの言うマナルモノディアとは何なのか、というのは明らかになっていません。謎が色々残る形になっています。
歌をメインに集中して聴いて欲しかったのでなるべく情報量を削ぎ落して短く短くしたのですが、もう少し説明があった方が親切だったかな……と反省点の一つです。
登場キャラであるサビが「監獄の世界」と称していたり、ジャケットなどのデザインを見ればある程度想像はつく形にはなっています。
演じていただいた声優の方には、この設定はお伝えした上で声をあててもらっています。
そうすると謎が解けた時にもう一度聞き返すと味わい深くなる……かもしれない。(適当)

■今後の展開について

この作品は色んなユニットを登場させて継続して頒布しシリーズ化させたかったのですが、制作に意外と時間がかかってしまうのとコスト的な問題で現状は結構厳しそうです。
ですが、何らかの形で謎の答えがわかってすっきりできるようにしたいので、次回作をお待ちいただければと思います。
乙女ゲームにできればいいな~!と今のところ思っています。思うのは自由。

ダウンロード版の方は恒常でboothで販売しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
https://ppkings.booth.pm/items/1685644

イベント参加した際にはパッケージ版も持ち込む予定なので、手元に現物が欲しい派の方はそちらでぜひよろしくお願いします。

それではまた近い内に何かしらご報告できるように頑張ります。

この記事をご覧になってちょっとでも気になってくださったら、ぜひ。監獄の世界へ飛び込んで来てください。

(2019/12/01 記事のタイトルを変更・一部加筆修正しました)

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