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窓開口②

窓開口①で記載した
共同住宅の設計で窓をレイアウトする場合
設計者が考える必要がある項目のうち

⑥開口の法的必要寸法について続き

⑥の法的必要寸法のなかで
*代替進入口
*東京都建築安全条例19条
*消防 有窓判定に必要な窓
などにおいて出てくる窓の
必要有効幅に75cm
という数値が出てきます。

この数値が火災時人が窓から外部へ逃げ出る
ひとつの目安寸法となっています。

75cm幅の窓とは
引き違いサッシの場合は両側が同時に開かないので、その片側の幅となりますし、指詰め対策として、引き残しがあるので150cm幅の
引き違いサッシでも片側を開いた状態で
有効75cmは確保できません。

また、開き窓や縦滑り出し窓は窓幅が
75cmあっても開いた状態ではサッシ本体や
サッシのハンドルが
75cmの中に入るので必要寸法が
確保できないのです。

サッシメーカーによって寸法が違うので
実際は最新の使用するサッシの
メーカーカタログを見て検討する必要が
ありますが

以前調べたあるメーカーの資料ですと

○引き違い窓 片引き窓
 有効開口=サッシ幅÷2 −48.5mm
 つまりサッシ幅は1600mm以上必要

○外開き窓
 有効開口=サッシ幅 − 120.5mm
ハンドルも含めない場合
 つまりサッシ幅は870.5mm以上必要

○縦滑り出し窓
 ハンドルも含めない場合
 サッシ幅 ずばり969mm以上必要
 

はっきり言って上記の幅の窓は
ボテっとしていてデザインの観点からすると
それ程かっこいい窓形状ではありません。

バルコニー面に配置するのはいいのですが
建物の妻側で道路に面している場合
窓はデザイン上重要な要素になってきます。
シャープな細長いサッシを配置したくても
上記の法規上必要寸法がある窓を配置する
必要がある場合それができなくなるのです。

設計者はいつも
さまざまな制約を整理して一つの
答えを導き出して図面を必死に
かいています。

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