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また、3番目の席/すこし元気になった

4月1日、つーさんに会いに行った。
エイプリルフール。
特に意味はないよ。

2月にはつーさんの誕生日、3月にはわたしの誕生日があった。
でも両月とも会いに行けなかった。
行きたいな、行かなくちゃ、と思ったが、その元気がなかったのだ。その頃ののわたしは生きるのだけで精一杯。

誕生日には、電報を打った。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
と書いた。

わたしの誕生日には手紙が届いて、つーさんなりの思いの籠った言葉がたくさん綴られていた。

いつもはアクリル板越しに歌っていたハッピーバースデーは今年は歌えなかった。
でも、お互いにおめでとうの気持ちは届いていたと思う。

1月以来となった面会は、お互いに「元気なの?」「体調は大丈夫なの?」と心身を気遣う言葉のオンパレードで始まった。つーさんはまたひと回り体が小さくなったような感じがして、「小さくなった?」と尋ねたら、「小顔になったかな」と笑った。
あまり冴えない近況を話し、それでも「会えて嬉しいわ(大阪弁)」というつーさんのにっこりとした笑顔が見られたのでよかった。

「今日、エイプリルフール。嘘やないやろな」と笑っていた。
嘘やないよ。

あと何回会えるのだろう、そんなことを、面会室からの帰りの長い長い廊下を歩きながらいつも思うのだが、考えても分からないのだし、会えるだけ会おう。それしかわからないんだよな。無理はせず、会えるだけ会う。

帰り、いつものカフェへ。

3番目の席に座る。

春になって、夏になって、秋になって、あと何回ここへ寄るのかな。
土地柄に似合わないわない(と言ってはその土地に失礼だけど…)かなり素敵なお店なので、このお店がなくならないといいな、と思う。

・・・

すこし元気になった。
落ち込みの原因のひとつが解決に向かったからであるが、心身はとても素直で、それだけでもすこし元気になった。

よかった。

出来事と心は繋がっているのだな。

春休みを迎え、4月から高校生になる娘になにかお祝いをしたくて、ちょっと(かなり)奮発してシャングリ・ラ・ホテルのアフタヌーンティーへ。

優雅である
夢のように美味しかったよ
ふかふかの布に包まれたスコーン

娘がシャングリ・ラ・ホテルの豪華さに目をキョロキョロさせ、すごい!ととても喜んでいたのでよかった。
(わたしももちろんおいしくて喜んだ)

一時期はこんなこともできないくらい元気がなかったけれど、すこし元気になった。
でも、まだ、すこしずつ。
調子に乗らずにすこしずつやっていこう。

・・・

高校生になる娘が、「わたしも高校生になるし、自分のお弁当は自分でも作ろうと思う」と言い出した。
すご。
そんな発想、同時期のわたしにはなかった。
言われたとき、あまりにびっくりして、この子は何を言っているのだろうか、という目で見てしまった。

春休みに何度かお弁当を作る練習をして、(まだまだおかずを作るのにも詰めるのにも時間がかかるのだが)、いよいよ今日が初本番。

お数が多くできたので、お父さんの分も作ってあげたのだという。
すごいな。
チーズのお花に余裕を感じる。
まぁでもお弁当は継続なので、学校生活を続けながら継続できるかどうか。

しかしすごいなー。
高校生でお弁当を自分で作ろうという発想が、すばらしすぎて理解できない。
わたしに全然似ていなくて笑える。(わたしはいかに楽をするかばかり考えているので)

どれくらい続くのか、まずはお手並み拝見である。