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ひとりの三連休

三連休だが、中学生の娘は部活でどの日も不在である。

朝7時過ぎには「いってきまぁす」とドタドタ家を出ていく。まあ忙しいことで…と思いながらわたしはひとり静かに二度寝をしたり掃除したりしながらすごしている。
めちゃくちゃ静かで平和な三連休です。

ちなみに夫は基本365日仕事しており、ほぼ家にいない。
ブラック企業並の労働時間だが、これは自分で犬や猫の病院を開業しているためである。
自宅から徒歩圏内に病院があるので、休みの日もそこを行き来している。入院している子や、お預かりの子のお世話があるからだ。
ただ本当にずっと仕事しているのではなく、病院で家のように過ごしている(待機している)時間も長いので、仕事場にいる時間=労働時間というわけでもなさそう。

もはや病院が自宅でこちらが別宅なのでは……と思うほどの滞在時間であるため、小さい頃の娘は「お父さんが帰ってきたよ」ではなく「お父さんが遊びに来たよ」と口を滑らせたりしていた。

昔からそんな感じだったので、我々は新婚旅行もできなかったし、いまも一緒に旅行することはない。
世の中にはもっと夫婦でたくさんの時間をすごす方のほうが多いと思うが、
わたしは犬や猫がとても好きなので、彼らのためになることをやっているのであるならば、そしてそれが夫のやりたいことであるならば心ゆくまでやるのがいいと思う。

そもそもわたしが夫と出会ったのも自分の犬を診てもらったことがきっかけなので、夫がどういうことをしているのかはよく知っている。
自分にはよく分からない仕事をしていたり、それだけの時間をかける意味が分からなかったりしたら、嫌だなと思うかもしれない。
なにごとにつけ「具体的に知っている」ということは、その人を理解するためにとても大切なのだろう。

娘が小さかった頃は、わたしひとりで休みの日をどう切り抜けるかが大変だった。
毎日がいわゆるワンオペというやつだったのである。
実家に連れて帰ったり、その頃まだ健在だった祖母の家に遊びに行ったりもよくしていた。
夏にはピカチュウのサンバイザーをつけてJRのポケモンスタンプラリーを娘とふたりで巡ったし、上野動物園の年パスを購入して足繁く通ったりもしていた。
帰りの電車では疲れて眠ってしまう娘を抱っこして、ハードな筋トレのような思いをしながら駅からの道を歩いて帰ることもしばしばだった。(あの頃の力こぶは本当にすごかった。もはや失われたが)

三連休ともなればこれはどうしたものかと思案していたので、こうして娘がまったく不在の三連休が訪れるとは感慨深すぎる。

自由。
ひとりで三連休を自由に使えるなんてすごくない??あの頃ピカチュウサンバイザーをつけて山手線に乗っていた自分に、いずれこういう時が来るよと教えてあげたい。

中学受験をして中高一貫の女子校に通う娘は、音楽系の部活と茶道部をかけもちして日々あわただしくしている。
部活が忙しくて、やや成績が下がってきているのだが、まぁまぁそれはいいよ。
いまはとにかく好きだと思えることをやるのがいい。

さて、ひとり気ままな三連休。

きのうは新しい掃除機を組み立てて掃除をし、涼しい部屋でゴロゴロとし、夜にはナイターを見ながらチーズ入りのハンバーグと夏野菜の揚げ浸しをつくった。

昨夜はBSフジのナイター中継の副音声がニッポン放送ショウアップナイターだったのだが、これがとてもよかった。
料理をしながら野球を見ているとどうしても目を離さなくてはならない場面が多いので、映像とともにラジオの情報量があるのはすごくありがたい。
ショウアップナイターは中学高校時代にずっと聴いていたので、他球場速報の「キンコーン」という音が変わっていなくて懐かしかった。
若松さんの解説もよかったな。
副音声はラジオ音声というのがスタンダードになってほしい。

それにしても、昨夜ベイスターズはなぜ9回に逆転されてしまったのか。
やはり継投の問題なのか、あの場面のリードの問題なのか…などと、DAZNのリプレイ再生をしながら思案する。
(わたしはヤクルトファンだけどベイスターズも好きで、とりわけ今永投手と伊勢投手の投球スタイルが好きなので登板時には熱烈応援しています)

さて今日は、ジブリの新作「君たちはどう生きるか」をひとりで観に行きます。
公開したてで混んでるかなと思ったら、意外に空席が多くて予約できた。
同タイトルである、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』はわたしの心の名作本棚にビシッと収まっているのだが、たぶん関係ないんだよね?

こんな風にひとりで映画を観に行くというのも、娘が小さい頃にはできないことだったのでしみじみと贅沢に感じる。
たのしみです。

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