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コロナ記・その1

三連休が明けて、火、水と仕事に行ったら、あれよあれよという間に発熱し、なんとコロナ陽性になってしまった。

ここまで一度も感染せずきていたのに……

家族は無感染だが、知り合いや職場にも感染した人がちらほら出てきていて、ここにきてまた流行してきていることを感じる。

いざ自分が「コロナなのかも?」という状況になったとき、Twitterやネットで最近コロナに感染した人の情報がとても参考になったし心強く感じたので(いまも、現在進行形で)、とりあえずここまでの記憶を書いておこうと思います。

(こんなことできるようになったのは、いまが発症3日目で、熱が下がって幾分楽になったからなのですが……)

【発症1日目】

朝から仕事。
とても暑い朝で、通勤しただけでバテてしまった。駅からの徒歩15分がきつい。だがそれはいつものこと。
ヤクルト村上くんの巨大うちわでわっせわっせと顔をあおぎつづけ、15分くらいしてようやくなんとか仕事ができるようになった。

その後は仕事を普通にこなす。
お昼ごはんの時、持参したブロッコリーと鶏むね肉のサラダが食べきれなかった。
ちょっと食欲がないかな、と思う。暑いからかね?夏はいつも食欲が薄いので、これもいつものことだ。

仕事の帰り道、なんだかとても疲れたなと思った。ヘトヘトになりながら夕飯の買い物をし、帰宅。たしかこの日は、豚肉と白菜のミルフィーユ鍋と、鰹のお刺身サラダと、焼き茄子と、お味噌汁をつくったと思う。疲れてる割にはがんばった。家族はよく食べていたが、わたしはそんなには食べられなかった。

食後、片付けをしている時に倦怠感。
ちょっと変かなと思い何気なく熱を計ってみるが、36.5℃の平熱。
たぶん疲れてるだけだなと早めにベッドに入る。すぐ眠る。

…………

夜中、ものすごい熱さと喉の痛みで強制的に目覚める。
なんじゃこりゃ!!!!やばい!!!!
絶対熱ある!!!

熱をはかる。39.5℃。
いきなりすぎる。

明日の仕事のことや、コロナだとしたら検査を受けられるだろうかなどさまざまなことが頭をめぐる。
スマホで近隣の病院の発熱外来を調べるが、なんと揃いも揃って木曜休診。なんで……。
かろうじて開いている病院を見つけても、発熱外来は予約がいっぱいだったり、電話しないと分からないというところばかりだった。ここら辺から、意識が朦朧としてきてスマホをうまくいじれない。

なんとか早いうちに病院に行きたい……なぜなら熱と頭痛と喉の痛みがすでにめちゃくちゃつらいから……。

夫の部屋の前にずりずりとほふく前進で近寄り、ドア越しに「お~い」と声をかける。
何度か呼びかけてやっと起きた夫に「ドアを開けないで!!!」と前置きしてから、状況を説明する。
夫はスマホを所持していないため(ガラケーのみ)、パソコンを立ち上げて病院を調べたり、手持ちのカロナールを飲んでも良さそうか調べたりしだした。

しばらくして、LINEで予約がとれる発熱外来を見つけてくれ、無事に翌日の予約がとれた。
すこしほっとする。
そしてカロナールは大丈夫だから飲むようにと言われ、痛む喉をおさえながらカロナールを飲み、ベッドにもぐった。が、この時点ではカロナールを飲んでも大して熱は下がらず、39℃台を保ったまま。なかなか眠ることもできぬままうなされ、ウトウト寝たと思ったら悪夢を見て目が覚める、の繰り返しで朝を迎えた。
地獄のようにつらい。

【発症2日目】

朝、起きてきた娘に事情を伝える。
この日娘は学校の終業式だったが、おそらくこれはコロナなので、いくら濃厚接触者というカテゴリがなくなったといってもわざわざ感染を広げに行くのはいかがなものかということになり、終業式は休むことにした。

娘が「なにかしてほしいことある?」と言ってくれたので、「冷えピタ……」と伝えて、持ってきてもらう。
水分を取らなくてはと思い、前の日にたまたま購入していたポカリスエットを飲む。

以降、わたしは自分の部屋にこもり、娘は娘の部屋もしくはリビング。夫は勤務している病院(別宅的な……)と、隔離して過ごすことにした。
連絡は電話やLINEで。

とても外出するコンディションではないのだが、予約した発熱外来へ行く。
以前、胃の激痛で休日の救急対応をしてもらった大きめの病院だ。裏口の救急の入口のインターホンを押し、中には入らず駐車場にある椅子に座って待つよう指示された。
屋外で待機することにはなったが、この日は比較的涼しく、巨大な業務用っぽい扇風機(アイリスオーヤマと書いてあった)も設置してあったのでまったく苦にならなかった。

わたしを含め4人が待機しており、どうやら1時間に4人で検査を受け入れているようだった。みな、鼻をずるずるさせている。同じ仲間ですね、という思いがうっすら湧いたが、他の人たちは待機中にずっとスマホをいじる余裕があったのに対して、わたしは頭が痛すぎてスマホを見ることもできなかった。
看護師さんに「外で待たせてごめんなさいね。本当に具合が悪くなったらインターホンを押してください」とお気遣いいただく。

一連の検査は看護師さんがひとりで対応し、結果を教えてくれる。到着してから40分ほどでコロナ陽性が発覚。
「やっぱり」というすこし安堵した思いと「なっちゃったか……」という落胆が混ざりながら、アイリスオーヤマの風に吹かれる。

しばらくしてスクラブを着た男性医師が出てきて、駐車場の隅においでおいでされ、そこで立ったまま診察。こんな変な場所で。なんか密輸の相談でもしてるみたいだなと思いながらコソコソ話す。

解熱鎮痛剤(カロナール)と、喉の痛みを抑える薬(トラネキサム酸)、咳止め(デキストロメトルファンなんとか)、を処方される。
薬局で処方箋を提出し、コロナの人が出入りするのは嫌だろうなぁと思いつつすみっこであまり息をせぬように待っていたところ、薬を持ってきてくれた薬剤師の男性が「おつらいでしょうが頑張ってくださいね。お薬、早めに飲んだらすこし楽になるはずですから」ととても優しい言葉をかけてくださった。泣きそう。

帰ってすぐさま薬を飲み、寝る。
職場にも連絡。近くにいた人や会話をした人にうつしていないかとても心配だ。それにしても昨日は熱もなく無症状だったのに、いきなりここまで振り切るとはコロナ恐るべし……。

振り返ってみると、感染の可能性があったのは三連休中。映画館か、娘の部活のコンサートに行った時のふたつだ。
どちらもマスクをつけていたし、映画館は念の為一人席を予約した。(1人だけの離れ小島みたいな席が普通の料金でとれるシアターがあるのです) 席に仕切りまでついているので、あのシアター内での感染はちょっと考えられない。
怪しいのは娘のコンサートに行く道中の電車か……。コンサート自体は大きなホールでさほど混んでもおらず、近くに人も座っていなかったのだ。そういえば電車のなかで咳をしている女性がいたような……

考え始めるも、結局よく分からない。
ただ、娘のコンサートに高齢の母を誘うかどうか迷った結果、今回はかなり暑いしやめておこうとひとりで行ったことはナイス判断だったと思った。77歳の母には感染させられない。

熱はなかなか下がらず、冷えピタごときではあまり役に立たなくてすぐに温まってしまう。氷枕がほしい……!頭ごと冷やしたい。と思いつき家族に買ってきてもらったのだが、これが本当に大活躍することとなる。氷枕のおかげでめちゃめちゃ救われた。いまのところ、今回の療養のMVPは氷枕である。

(これです。くすりの福太郎で購入しましたが、安いけどぜんぜん使えます。
6時間冷凍庫に入れて使うタイプなので、ふたつ買って常にどちらかを使えるようにしました。冷えピタの100倍くらい冷やせます)


なにか食べなくては、と思って甘いパンとかおにぎりとか、夫が買ってきてくれた暖かいうどんなど食べようとするが、少量食べただけで「もう結構です」と、さらに頑張ろうとすると「いえもう本当に結構ですので!」という感じで体に拒否されてしまう。
腹痛や気持ち悪さはほぼない。ひたすら熱、頭痛、喉の痛みだ。

夜になって、そうだオールスターの第2戦だと気づき、ポータブルテレビをベットサイドに持って来て中継をつけた。だが頭痛がひどくてじっと見ていることはできず、うとうとしながら実況だけ聞いているような聞いていないような……。
ふと気づくとヤクルト長岡くんの応援歌が聴こえる。
え?なんだこれ夢見てるのか?それとも熱で幻聴をきいてる……?
長岡くんがオールスターには出ないでしょう…………

(現実でした。知らなかっただけで出場してました)

ジャイアンツ岡本くんとベイスターズ牧さんが実況席に来て話し出したところだけはなんとしても見たいと思い、がんばって見た。バウアーの話も聞いた気がするのだが、それは前の日だったか、それとも幻か……?

オールスターはパ・リーグの連勝で終わったようだ。
試合展開などはまったく分からず、途中、現地に観戦しに行く夢を見ていた。

よりによってなんでこんな日に、と思うのだがポケモンスリープの配信が始まった。
ポケモンにそんなに詳しいわけではないがカビゴンがかわいいと思ってアプリの予約をしており、相棒のピカチュウとともに眠りの計測にいざなわれる。
えー……こんなコンディションではじめるの……?ピカチュウ……。わたしいまコロナだよ……?
スマホから「ピカチュウが寝るのを待ってるよ!」という通知が何度もピコーンピコーンと鳴るので、仕方なく「睡眠をはじめる」ボタンを押して部屋の電気を消した。

(つづく……)