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back numberさんの「黄色」の感想

昨日公開され、明日(9月29日)CD発売されるback numberさんの「黄色」

映画を見たような体力と気持ちを奪われる作品でした。ある女の子の恋のお話なのですが、好きになるのは同性の子で、その子を想う気持ちをこちら側の私たちが覗き見をしている作品で

音楽はもちろん、映像が本当に秀逸

受け取り方は色々あると思うけど、

私的の受け取り方を長々と書いていく。

簡単なあらすじ

高校受験の時に文房具が壊れて焦っている時に彼女が鉛筆を差し出して、微笑んでくれて、そこから彼女のことを好きになる。

だけど彼女はサッカー部の男の子に片思いをしている。ある日、帰り道に彼女が飲みかけのガラス瓶に入った飲み物を手渡し、偶然出会ったサッカー部の彼と帰ってしまう彼女。彼女に手渡された飲み物に主人公は口をつけられない。そっとガラス瓶の蓋を閉める

ここの歌詞が、彼女の気持ちを表すかのように、彼女への気持ちが溢れてしまって息が出来なくなってしまうので飲まなかった、飲めなかった。

ガラスの蓋を閉めても溢れ出てしまった彼女への気持ちを表すかのように海の中で水面を蹴り上げる主人公。

高校を卒業したのか、少し大人になった2人。久しぶりに会った彼女はネイルをし、左手の薬指には指輪。化粧をし、赤の口紅を塗る。対照的に主人公は指輪はなく、化粧っ気もない。彼女への変化に戸惑っているような感じがまたいい。紅茶の砂糖のガラス瓶。このガラス瓶はまた蓋がきちんとしまらないまま映像が切り替わる。

ここで受験の時に彼女が助けてくれたシーンが流れる。主人公がシャーペンの芯が出なくて焦っていると、そっと机に鉛筆が置かれて微笑む彼女。歌詞で、補足するようにこの出会いじゃなくても君のこと好きになっていたよ。だって、そういうものだから。

さらに時間が経ったのか、彼女の車に乗り込む2人。煙草を吸うようになっている彼女。その変化に少し寂しげな主人公。車内には彼とのツーショット写真。写真の隣にはタンポポの綿毛のオブジェ。タンポポの綿毛の花言葉は、「別れ」「別離」。彼との別れが彼女を変えたのか。それとも…写真のシーンで歌詞で”恨んで”と出てくるので、彼のことを恨んでいるのかもしれない。彼女が主人公の髪に触れ、「髪、伸びたね」。吸っていた煙草をガラスの瓶のついた吸い殻入れに入れる彼女。

[追記]
考えてみたら彼と別れたという可能性よりも、主人公にとって高校時代から成長して、知らない彼女になってしまったので、高校時代の彼女への別れのシーンなのかもしれない。

回想なのか、妄想シーンで

高校時代。彼と帰っている彼女に出会い、髪を解き彼女の手を引き走り去る主人公。

波止場にたどり着き、彼女が飲んだガラス瓶に入った飲み物を主人公は受け取る。その飲み物を海に向かって半円状に放出させる主人公。今度は蓋をせずに溢れださせる選択をした。(余談ですが、ここの3分38秒くらいの映像とピアノの音がエロすぎです)

現在、彼女の結婚式。

願望のなかの主人公は、白のドレスを着て、赤の口紅。今度は主人公が変化の時。バージンロードを歩く彼女。彼女は主人公のことを見つけて、少し涙ぐむ。主人公は彼女の手を取り、2人で結婚式を逃げ出す。(回想の海のシーンはきっと本当にあったことではなく、もしこうしていたらif世界の映像なんだと解釈)ウェディングベールを2人で被り、彼女の左手の薬指から指輪をそっと外す。ずっと外したくて仕方なかったのか、その指輪を眺める主人公。ベールの中でキスをする。

歌詞が、ここめちゃくちゃ正反対なんですよ。

ほんとの私は、オレンジのドレスを着て、彼女の投げたブーケを手にし、そっと涙を流す。

タイトルの黄色の通りに、歌詞の中にも出てくるように信号の黄色だとしたら、信号が青になっても動けない。映像だと、ここはサッカー部の彼の自転車が青だった。彼が来て、彼女との笑い声が響いて、主人公は動けなくなる。でも、口紅の赤を選んだように赤で変化、進めという意味ならば、信号の本来の色の意味とは正反対を表すけど、結局黄色はどっちをとっても同じ意味になる。黄色信号は安全に停止できない場合を除いて、必ず停止線の前で止まらなければいけない。停止線を踏み越えられなかった主人公。

要所要所で出てきた、ガラスの蓋。

完全に閉まったガラスの蓋は序盤のガラス瓶の飲み物の蓋だけで、あとの2つのガラス瓶は中途半端に開いていた。漏れ出した感情なのか、はたまた…

余韻を残しながらも、素晴らしい作品でしたし、

秀逸なタイトルセンスだなと感じさせられました。

完敗です!!!!!

清水依与吏さんのABEMAニュースのコメントもほんとに世界観がわかるコメントで以下、ABEMAニュースさんより引用。

「この主人公の気持ちの中ってやっぱり晴れている日なんかなくて、その心の中の声を代弁してというか俺たちがそれを、大きな声で大きな音でっていう時には雨が降っているからなっていう。結果、パワフルなものになったんじゃないかと思っています」


なんか、そう妄想しながら歌詞を読み、映像を見ていると自然と涙が込み上げてくる切ない作品でもあり、if世界(勝手に私がそう名付けてるだけ)の2人は幸せに暮らせたのだろうか。とも思って、胸が締め付けられる。たぶん、観方によってハッピーエンドにもバッドエンドにもなるんじゃないかなって思いました。(何をハッピーエンドと取るか、バッドエンドと取るかは人によって変わるので難しいのですが)

ほんとにback numberさん天才すぎるだろ…。このMVに関わった人全員天才すぎる。

そして、「黄色」のコメ欄で解析している方々も私のつたない受け取り方より遥かに天才的な方ばかりでほんとすごい。

素敵な作品をありがとうございました!Spotifyでエンリピしつつ、たまにMV見直して泣くというループを繰り返しています…。






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