マンモトーム生検のこと(その2)

その1は入院日を決めたところまで。
入院日はコロナ対策で全県を走り回る相方さんが市内にいる日にした。何かあったときに誰も来られないと困るから。安全性は高いけれど、そのくらい、配慮は必要な検査だと思ってください。
また、これはあくまでも私の経験です。病院によっていろいろ違うと思うので、参考にしてください。でも、怖がらないで受けてください。自分の命を守るために。

ここで承諾書の問題が持ち上がったが、長くなるのでここでは書かない。

入院までの準備は他の外科手術とあまり変わらないと思う。事前検査を2回した。エイズ検査もした(これはおそらく産婦人科併設ならではだったと思う。自費だったし🤨)。そして上司に励ましというより説教を前日にされて当日になった。

寒い時期なのでとにかく荷物が嵩張って困った。一泊なのに。一泊だからこそ個室をお願いした。産婦人科もあるので大部屋で切迫流産などで入院している人と一緒というのは、かなり厳しいから。総合病院だと乳がん治療などの人と相室なんだと思う。

朝食抜きで病院に入り、ひと通り入院の説明を受けて部屋で待っていた。そのうち着替えて点滴が始まる。点滴がさ、入らなくて(泣)ベテラン看護師さんが手こずった末に入れてくれた。最新の点滴装置に興味津々。この待ち時間や生検後に、Twitterのフォロワーさんや休職していた先輩に助けらた。SNSでの仲間は親族よりも頼りになる。遠くて近きもの。実感した。

さて、前置きが長かった。検査について。
慶応病院のページを再掲。

私が受けたのはまさにこれで、ここ20年くらいで普及してきた検査法らしい。これが開発される前は注射針で取るとか切るとかしかできなかったらしい。今でもこの検査法以外を選択されることもあるかも。
正確には覚えていないのでらしいばかりで申し訳ない。しかしこの検査法の開発により。生検が必要な患者の負担が大きく軽減されたということはまちがいない。
(最近はさらに楽な方法があるようです)

時間になり、マンモグラフィの部屋に歩いて入った。看護師さんが不安にさせないよう声をかけてくれた。
(朝起きてジアゼパムをドーピングしたので、それほど不安になるということはなかったと思うが…緊張はしてた)
メガネを外しているからまわりがよく見えない。

横になって左胸が上になる状態でマンモグラフィの装置に固定された。このために何としても左手に点滴を入れる必要があったのだ。私の目線からは壁しか見えず、先生たちの動きも全く見えなかった。パルスオキシメーターが付けられた。

このあと、左胸に麻酔をされた瞬間、吐きそうになって気が遠くなった。伝えようと思ったが一瞬だった。この麻酔をした瞬間に多めに出血があって、検査を中止にするかどうかの瀬戸際だったらしい。(病室に戻ってから看護師さんに聞いた)
とりあえず検査は続行され、これから大きな音がするが動かないように先生から言われた。
何回か大きな音がしたし、マンモグラフィの音もするので音楽はなかった。
(ここが痔核の手術とは大きく違う)
とても小さい部位から組織を取り出すので、かなり高度な技術が必要だと想像した。それでも傷口はすごく小さいからすごいと思う。
出血が多かったので先生はいつもより手早く検査を終わらせた、とあとで看護師さんから聞いた。

組織を取り終わると固定が外され、ベッドに仰向けになって一旦部屋の外に出された。止血のため決まった時間、装置を指した部分を強く押さえられる。その間にマンモグラフィ室を片付けているようだ。外に出される時、血だらけになった固定器具が一瞬見えたので、あれ、と思ったのは覚えている。

そのあとの記憶は曖昧。テープで胸をしっかり固定され起き上がって、診察室で組織は全て取れました、と先生から見せられたのはよく覚えている。その組織がお弁当の具材を入れる緑色のカップに入れられていたことが、目に焼き付いた。

おそらく、病室までは車椅子で戻った。ここまで45分。痛かったのは麻酔をした瞬間のみだった。

病室に戻って、今日はとにかく安静にゴロゴロしていてね、と看護師さんに言われ、ついでに今日はちょっとヒヤッとしたよ、と出血のことを聞かされた。全然そんな空気を感じなかったので、これがプロだな、と思った。

看護師さんが出ていき、個室でテレビをつけたりTwitterしたり、のんびり過ごした。多くの病院はこの検査を日帰り入院扱いで行なっているが、この病院では一泊にしているとのこと。安静にしてと言っても女性は家事などで無理して動いてしまうことが多いからね、と看護師さんは言っていた。

点滴が終わったところは万が一のためにルート確保のままにされ、多少気になるが、お手洗いには普通に行けるし、動いてもあまり問題もなく、夕食も完食。この日はクリスマスイブでケーキが出た。
ただ、夜はニトラゼパムとエチゾラムを飲んだのにほとんど眠れなかった。がんかもしれない、という気持ちが時々襲ってきて怖かった。

次の日の午前中、創の処置をして帰宅した。年末年始に入る直前で、年末最終日にもう一度通院し、創の様子を見て年末年始休業に入った。
記憶はあまりない。疲れた。
そして年明け、良性だったことが知らされた。しかし、乳腺症とはっきりわかる組織だけではなかったので、経過観察となった。
検査の創は小さくてすぐ治ったが、半年間傷跡が消えなかった。つらかったのは点滴後の内出血の方で、アザが2週間以上消えなかった。

検査からまもなく2年になる。現在も経過観察中で、本来は2年に1度で良いマンモグラフィ検査を年1回、保険診療で受けている。
1年前の検査では、組織を取ったあたりにまた石灰化(問題ないとすぐわかるもの)ができていた。きちんと検査をしていれば問題はないし、もししこりを見つけたらすぐ来るように言われている。

そういえば最近自己チェック怠りがち…だからこそ、
自分で発見できるがんは、乳がんだけです。
40歳を過ぎたらマンモグラフィ検診を受けましょう。
出産経験がない人、初産が遅かった人、初潮が早かった人、そして血縁者に乳がんになった人がいる場合は特に要注意。
今は検査技術も治療技術も進んでいる。だからこそ早期発見です。

記憶が曖昧になる、というのは、良い機能であり、危険な機能だね。


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