「写真に言葉は不要か?」を読んで

ninoさんの上記の記事を拝見しまして、色々考えさせられたのでその所感について書いてみる。

色々考えたうえで結論を述べますと、写真という分野である以上写真のみで完結させたいが、説明が無いと意図を伝えきれない状況は発生する。その為、場合によっては言葉が必要である。となります。

どちらかと言えば、自分は写真に言葉不要という考えを強く持っていました。理由は二つあります。一つ目は不要な何かを付け加えているように感じていたこと。二つ目はそもそもその必要性を見いだせなかったからです。

二つ目の理由に関しては推測になりますが、私が撮っているのは基本的に動植物であることや、色や形や構図を重視しているので、見る以上に説明するべきことが無いから言葉を付け加える必要性を感じなかったのではないかと思います。

では、説明が無いと意図が伝えきれないというのはどういうことかというと僕は人を被写体にした時に発生することが多いのではないか?と思っています。

ここの記事にて「写真一枚で行間を読ませるのは難しい」というようなことを書いたことがあります。意味合いとしては説明が無いと意図が伝えきれないとさほど変わらないと思います。

一例を上げてみたいと思う。以下は以前撮った写真である。恐らく下の写真だけ出されても何の写真だかわからないと思われます。精々、男女のもつれかなというくらいだと思います。



では、先ほどの写真にちょっとポエムっぽい説明をのせてみます。

「カルメン、俺と踊ってもらえないか?」 「喜んで。エスカミーリョ」 ホセは、カルメンが最初にホセとの出会ったときの愛を冷ましつつあるのを感じていた。でも、現実を認めたくないホセは、物陰に隠れて二人に背を向けた。

上記の説明をのせることで、カルメンとホセが以前愛し合った関係であるが、カルメンがエスカミーリョに惹かれているという事を知ることができ、より複雑な男女のもつれが発生していることが理解できると思われます。

なお、説明はアテレコですので実際こういうセリフがあった訳ではないのは予めご了承ください。

総評になりますが、必要十分という言葉がある通り、伝えたい何かを相手に正しく伝えるために言葉が必要なのであればつけるべきであり、余分であれば付けないべきだと思います。

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