闇に隠れて生きる

暗い定めを吹き飛ばせるのか。吹き飛ばす必要があるのか?人間じゃないまま生きるのも悪くないんじゃないか?だって周りは似たような人間ばかりだし、自分1人ぐらいが人間じゃなくたっていいじゃないか。どうせ誰も気づかない。暗い定めを受け入れて、闇に隠れて生きようぜ。

怒涛の6連勤が終わろうとしている。
別に人手不足というわけではないのだが、シフトの都合上こうなってしまった。いまの仕事は特別不満があるわけではないので文句はない。もしかしたら、私は意外と仕事をするのが好きなのかもしれない。
労働は昼から始まり、夜に終わる。太陽は反対側へ、満ちたり欠けたりするやつの顔がよく見える。以前の仕事に比べると穏やかで時間の流れは遅い。
人の顔はよく見え、足音もよく聞こえる。ありとあらゆるものが鮮明で明朗だ。

自分がひどく場違いな存在に思えてしょうがない。
闇に隠れて生きてきた人間がどうしてこんなところに……眩しくて何度も目を細めてしまう。
早く環境に慣れなくてはと思う反面、このままなめらかな世界に居続ければ今までの自分が消えて全く別の人間になるのではという恐怖もある。人が変化するのは一瞬だ。オタマジャクシから蛙にだってあっという間だ。

どうしようもなく暗い人間なのだ。変化を恐れ、テリトリーが侵されれば敵意と攻撃性を持って牙を剥く。人を信じてはいるが個人を信用していない。
常に毛を逆立てて暗闇に眼光を穿つ。まだ虎でいたい。まだ狼でいたい。
獣でいることをやめたら自分に何が残るのか。想像するのも恐ろしい。

寿命が伸びます