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1時間あったらなにする?

仕事が休みなので家事をした。私の家事の大部分を占めるのは洗濯である。
尚部屋の掃除もろもろは家事には含まれないとする。

家には洗濯機がないので徒歩15分ぐらいのところにあるコインランドリーに1ヶ月分の洗濯物を担いで向かう。いまはなんてことないがこれが冬になると雪の中をキログラムはあるカバンを背負い、息を切らして坂道を登ることになる。昭和のスポ根漫画である。
いまどきコインランドリーなんて使うやついるのか? と都会派の方々は思うかもしれない。行きつけのコインランドリーはそこそこ使用者がいるらしく、半年ごとにアメニティ(消毒液・各種デバイス充電器・漫画雑誌・テレビ)が増えている。コインランドリーって儲かるのだろうか。

洗濯は乾燥を含めるとだいたい1時間かかる。洗濯が終わるまでの間、ランドリー店内で待機することになるのだが、前述した通り充電器や漫画雑誌、テレビにWi-Fiまであるので1時間どころか1日中いられる。待機所の一角にはウォーターサーバーも設置してあるので喉が渇く心配もない。さらには空調も効いている至れり尽くせり環境。おもてなしの心でがんじがらめになる。

そういうことでコインランドリーにいるのはなんら苦ではない。夏は涼しくて冬は暖かい。住んでいるアパートより居心地が良い。毎度Kindleタブレットを持ち込んで本を読んでいるが、中原中也の詩集を読んで時間を潰した。私は偉人の残した言葉や文章にいちいち頷いたり眉をひそめたりしているのだが、中也の言葉はそういった反応以前にやたら親近感が湧くので読んでいて面白い。言葉選びが似ている? 言葉のリズムみたいなのが近いのかも。
いま隣に中也がいたら友達になっていたかもしれない。お互いに金の催促をやりあって負のスパイラルを作り出そうぜ。

寿命が伸びます