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のの花だより4月号

花粉症と栄養過剰

宍粟市に引っ越してきて一年、つくづく感じるのは、飛行機の少なさです。前に住んでいた和歌山市は関西空港の近くだったので、一日中、ものすごい数の飛行機が空を行き交っていました。それもくっきりと、いつまでも消えない雲を縦横に残して。昔の飛行機雲は、もっと細くてスーッと消えていきましたけど、今は何か汚いものでも撒き散らしているのでしょうか?

十数年前、私が住んでいた時の中国はスモッグがひどく、年に数回しか青空を見ることはありませんでした。車は毎日洗っても、すぐに埃まみれ。出張で上海から関空に降りるたびに、日本の空気はなんて透明感があるんだろう!と感激したものですが、現在はそうでもないように思います。

当時、中国のまっ白に濁った空の下、私はいつも息苦しさを感じていましたが、中国の子たちはそれが当たり前で全く平気なのです。人間の身体の順応性は素晴らしいものです。


毎年、この時期に話題になる花粉症も、同じ場所に住んでいて発症する人と何ともない人がいるわけですから、原因は花粉の方にあるのではなく、私たちの身体の感受性の問題なのです。

整体の見方では、迷走神経の過敏反応で、頭部を中心に幾つかのポイントを調整します。

ご自身で出来るお手当としては、額の髪の生え際と、鼻筋の線の交わる辺りに掌を当てて、じっと愉氣します。押さえたり、一所懸命にエネルギーを送ろうとするのではなく、心を澄まして掌でただその場所を感じるように、また額の内側から掌を心地良く感じるように、意識を集注します。

氣が済むまで、氣が澄むまで行います。寝る前に手を当てて、そのまま眠ってしまっても良いでしょう。


1月にはまめに水を飲んで身体の弾力を保ち、2月には禁糖で年末年始の食べ過ぎによる鈍りを調整することをお伝えしていますが、これが春の快適さの差に繋がってきます。


花粉症の症状が出る方の多くは、骨盤がその方にとっての適正よりも、やや開き過ぎた状態になっています。骨盤が開く原因として、食べ過ぎがあります。現代は、ほぼ100%の人が食べ過ぎです。


私の母方は林業が盛んな山奥の、杉山に囲まれた寒村で暮らしていましたが、昔は花粉症の人なんていませんでした。運動量が多く、粗食だったからです。油を使った料理や肉魚、ましてやケーキなんてほとんど食べていないので、排出しなきゃならないものは、それほど溜まっていないのです。

3月までうっかり食べ過ぎを続けてしまって、花粉症という名のデトックスをしている方は、今からでもしばらく栄養(特に炭水化物とアルコール、脂質)を控えめにしてみてください。気温が上がったので、本来は体温を上げる燃料も真冬より少なくていいのです。


症状という「結果」に対してアプローチするのではなく、その症状を引き起こしている原因を改める方が賢明です。



up is good? 上虚下実の心がけ


「ムラブリ」という、タイやラオスの山間部に住む少数民族の言語を研究されている伊藤雄馬さんによると、ムラブリ語では「心が上がる」は、怒りや悲しみなどのネガティブな状態、「心が下がる」は、嬉しい、楽しいなどのポジティブな意味を表すそうです。

これは世界の言語に普遍的に見られる特徴である「up is good (上がることは良いこと)」の例外で、とても珍しい、と書かれていましたが、私は果たしてそうかなぁと思いました。


最近(主に戦後)でこそ、テンション高く盛り上がるイベントや娯楽施設が良いものであるかの如くに喧伝され、思い込まされてきたような感がありますが、昔から日本の武道や芸道、中医学など、東洋的な身体観では、氣が上がることは良くないこととされて、「上虚下実」が尊ばれてきました。


これは、大きくは頭寒足熱というように、頭がスッキリと涼しくて足温かく力強い状態、小さくは鳩尾が柔らかく緩んで丹田がしっかりと充実した状態です。


しかしながら、現代の生活ではこれとは逆に、歩くことが少なく、目や頭を酷使することが多いので、どうしても頭に氣や血が上って、足が冷えがちです。

特に、木の芽どきと言われるこの季節には、上氣しやすく、イライラしたり、逆にやる気が出なかったりといった不調が出やすくなります。


そんな時には、先月お伝えした方法で、朝一番に足湯をしておくのがおすすめです。


10分足らずのひと手間で一日をスラスラと生き心地良く過ごすことが出来ますよ。

精神力で無理矢理に頑張るよりもほんの少し身体を整えるだけで、実は楽に簡単に出来ることが多いのです。


自分や子どもが妙にイライラ、カッカしていると氣づいたら、頭のてっぺんの、ちょうど両目からの延長線上辺りを触ってみてください。ここが盛り上がっていたら、それが鬼の角です。特に右側が高い人が多いでしょう。

その角をなだらかにするようなイメージで、優しく手を当てているか撫でていると、段々と凹んできます。そうすると氣持ちも落ち着いて、穏やかになっているのです。


うちの長女は、昔から頭をよく使うタイプで、時々「あれ、何か変な感じする!」と怯えだすことがあります。私も昔よくあったので分かりますが、目眩ではなく、頭が変というか、身体が浮いたような、魂と身体が別々のような感じのようです。


これは氣が頭に上って下りなくなっているだけで、こんな時には、肩を思いっきり上げて力を込め、込め切ったところでフッと息を吐きながら肩を下ろす。これを3回ほど繰り返します。

また、同じ要領で、思いっきりつま先立ちをして、ストンと踵を落とす。これで頭がスッキリ、地に足が着きます。


この技は人前で話す時などに、緊張を解くのにも使えるので、新年度で多くなる挨拶の機会などに試してみてください。


春先と秋口は、最も身体の変動が大きく、整体操法の効果が発揮されやすい時期でもあります。特に、あたまのお手当てが有効です。

4月から私の自宅で受けていただけるようになっていますので、ぜひお越しください。

受けるだけより自分で実践したい方は、セルフケアお茶会、自由学校親子クラスについてもホームページでご案内していますので、そちらをご覧ください。


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