舞台は敷居が高いという話


先日、ある劇場の閉館のお知らせが発表されたことをきっかけに「舞台」に関する話を見かけるようになった。(気がする)

「舞台」といってもたくさんの種類がある中で、劇場の規模的におそらく小劇場系と呼ばれるところに分類される舞台だと思うので、その話をすこしだけしたいと思う。

さて、敷居が高いという話ですが、もう少し具体的に言うと「若い人は舞台を観にこない」という話らしい。
作り手の人の何人かが発信してるのだからそうなんだろうなと思いながら、観客である私にはすこしだけ違和感がある。

いやだって客席に若い人いるよね?

この「若い」人というのがどの年代まで指すのかで変わりますが、20代30代くらいの人は全然いる。ちなみに私もそう。
私は平日に観に行くことがほとんどで、平日でも同年代の人わりといるなあといつも思っていたくらい。
ただ割合で言えば40代より上の人が多いのかもしれない、そこまで客席全体を見てないのでわからないけども。

ただちょっと気になるのが、作り手の人から見て年齢を見分けられてないだけなんじゃないかなと、失礼ながら思ったりもしてます。
私は自分がまさに20代30代の層なのでだいたいは見分けがつく。でも40代より上って逆にわからない。
それって上の人も同じじゃないかなって思う、ちゃんと区別ついてるのかな(本当に失礼)

今年3月に見た舞台で「20代、30代、40代の女性の一生」を作品したものがありました。
それぞれの年齢に合わせて役者も変わっていて、わたしはそんなやり方があるんだなあと楽しく見ていたのに、終わりのティーチインの時間で制作側のえらいおじさんは、

「みんな同じに見えて移り変わりがわかりにくかった」

って言ったんですよ。
いやいやそれあなたが区別つかなくなってるだけ……、なんて思ったのを覚えてます。
だから今回の「若い人が来ない」話、ただ見えてないだけの話なんじゃないかなと思うんですよね。

それとは別に、敷居が高いというのは年齢というより地域的な意味合いの方が強いのではとも思っています。
例えば映画やドラマは映画館やテレビ、配信も含めれば自分の端末で見れる。
でも小劇場系は円盤なんかないから、劇場まで行かないと見れない。
それなのに劇場がある地域って東京と大阪とか中心部にしかない。
その周辺に住んでいれば気軽にいけるし、なんなら当日券でも行ける。
でも極端な話でいえば北海道に住んでいたら、こんなに小劇場に通えない。月1で下北沢なんか行けるわけがない。

だから、東京や大阪から居住地が遠くなればなるほど、敷居はあがるのだろうなあと思います。あたりまえのはなしだけどね。

あと映画やドラマに比べて、小劇場系の舞台のあらすじのわかりにくさはちょっと異常だなって思う。
もう少しなんの話かわからないと初見の人も食いつかないのでは…?
煙に巻いた表現は嫌いじゃないけど、本当にどれも意味がわかんないから私は読むのやめました。

真面目な話で、なんであんなにわかりにくい表現ばかりなんですか?
フライヤー?キービジュアル?の写真や絵の雰囲気からでしか私にはジャンルでさえ読み取れないです。
私の読解力の無さといえばそれまでだけど、みんなどれくらい理解されてるんだろうか。
あらすじを読んでもどんな話か予測もできないのに、わざわざ遠い土地まで行く人っていったいどれくらいいるんでしょうね。

結論、距離的な敷居の高さはもうどうしようもない(地方のアクセスが悪いホールでやられても集客できないし)。
せめて、初見の人にも「どんなジャンルの話かわかる」くらいには伝わるあらすじを書いてほしいなあと個人的には思います。

あと「若い人」ってどの層なのか教えてください。
U-25対象までかな?だとしたら、25歳と30歳の区別、製作のみなさんはついてますか?
私は失礼ですが同じに見えてるのではないかと思ってますよ。

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