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紡ぐ、出逢う、纏う。

冬に近づく度、おしゃれがたのしみになる。
柴田ののかです☺︎
役者として出会った人々やご縁と発見、気持ちと想い出を綴るnote.
お次は"POPOさん"です!
POPOさんは、個人でPOPOというアパレルブランドを立ち上げてハンドメイドで一から服をつくっていらっしゃるおにいさんです。

わたしの大切な人々の紹介で綴ってきたnote.
所属劇団TEAM909の劇団員たちから始まり、
前回の記事で劇団員ではない役者仲間へと続きまして、ついに役者さんじゃなくなりました!

POPOさん、役者じゃない!
服をつくっている職人さん!

でも前回も綴ったけどもこのnoteはわたしが役者として出会った人々のことを綴りたかったので元々909以外の人、もっといえば役者さんでない人のことも書いていく予定でした☺︎

POPOさんはわたしにとって、
"こうやって自分を持って生きていられたらな"と尊敬している人生の先輩なのです。
あとよく話を聴いてくれる友人でもあって。
あ、でも言うまでもなくわたしはPOPOのお洋服がすきなので素敵な服をつくってくださる職人さんであることは確かで。
あとはいつもすっごくたのしそうに服をつくっていてこの人から服を買えるのって幸せだなと思うから応援している人でもあります。

だから最近はもうよくわかんなくなっちゃって、この出逢いを"ご縁"と呼ぶことにしました。

今回はご縁があって仲良くさせていただいている
そんな"POPOさん"です☺︎

POPOさんの過去のPOP UPのDMの中で一番すきなもの
シンプルさとナチュラルさ、あとその中でも色をもつこと
全ての調和がすごくすきだなぁと思う

この世界には目に見えるものと目に見えないものがあると思っていて。

でもわたしには目に見えないものの中にも
本当に見えていないものもあれば
隠れていて見えていなかったものもあるだろうし
ただ純粋に見落としていただけだったものもあるかもしれないとか色々あると思っていて。

でもだからこそそこに確実にあったものをなかったことにして生きていきたくないなと思っているし、
わたしはあることを感じながらあるものを大切にして生きていたいなって。

すごーく小難しいことを考えているな、この人…
と思うでしょう?☺︎
これは20歳の時にPOPOと出会ってから、そのつくり手のPOPOさんと仲良くなって24歳になった今日に至るまでに紡がれた考え方なんですよね。
おそらく一生物の考え方・価値観です。

もう4年も経ったのかぁ…
4年かけてようやく言葉にできたのか…
時間かかったなぁ。

今回は20歳の自分まで遡って話をしようと思います。

ミシンを踏んでいるPOPOさんは職人さんを感じられてめっちゃ素敵。でもわたしの手元にはその写真はない。いつも目に焼き付けているから頭の中にはきちんとあるのだけど写真はない

みなさんって20歳に憧れありましたか?

わたしはものすごくありました、20歳への憧れ

学生時代のわたしは20歳になったらなんでもできるようになると思っていて。
きみはまだこどもだからでできなかったことがあるってことは、きみはもう大人だからでできるようになることがあるってことで、
それってできるようになる範囲が広がるってことだ!っていう考えがずーっとあって20歳をわくわくして迎えようとしていました。

だから20歳の誕生日には自分に一生物の贈り物をしようとずっと考えていて。
大人になったと感じられるもので、
なおかつ、なるべく長ーく使えるものを。

でも10代はなにを自分に贈るのかをただ漠然と考えながら年齢を重ねてしまって、
いざ20歳迎えるぞって時に結局なにを買うのか決められていなかったんですよね。
万年筆? 革物? 名入れの小物?
でもなんか違う気がするって。
たくさんたくさん考えてでも違うってなってまた考える。そうやって決められずにずっと生きて、なんだか大人になることさえも夢とかそんなものの類のような気さえしてきて。

でも人って必ず大人になるんですよね。
大人になることって本当はふわふわしたような夢じゃなくてしっかりとした現実なんだって。

20歳の誕生日間近にふと大人ってなんだろうって、大人になるってなんだろうって考え直しました。そして自分はなんのために自分に20歳の誕生日に贈り物をするんだろうって分からなくなりました。
じゃあそもそも贈り物やめるか、決まらないし、意味も分からなくなってるんだし。
こどもの時のわたしとの決め事を破りかけるとこでした。あの日までは。

服をつくるっていうのはミシンだけじゃなくて、いろんな道具が必要で。でもどれも手で使うからこそ手から伝わる温もりがあるのかなってなんとなく思う

20歳直前の秋。
下北沢にある三叉灯という雑貨屋さんにこっそり元気をもらおうと3階に行った日。

あざやかでとても綺麗な青のワンピースを見つけました。今でもあの時の衝撃はよく覚えてる。

あまりの綺麗さに一目惚れしたワンピース。

普段一目惚れなんてしない自分が一目惚れしたことも初めての感覚だったし、
普段スカートを着ない自分がこのワンピースほしいって強く思ったことも初めての感覚で。
しかもお値段を見たら大学生かつ上京してお芝居の養成所も通っていてお金のない自分が気軽に買えるものではなくて、でもそれほどに価値のあるワンピースであることは服に対して学のないわたしにでもなんとなく感じるものがあって。

めっちゃ悩んだ。

はじめはじゃあこれを20歳の誕生日プレゼントにしようと直感的に思って。
でも次第に高い買い物になるし20歳の誕生日の贈り物だからちゃんと考えてから買おうといつも以上に慎重になって。

考えてみると、せっかく買ったのに普段スカート着ないからってこのワンピース着なくなるってことはあり得るなって。
でも今まではものがなかったから着なかったのであってワンピースがあればワンピース着たいと思った時に着られるよねって。

よくよく考えてみると、こどものような見目の自分にこの大人っぽいワンピースが似合うのかなって。
でもだからこそ大人になるための贈り物として自分に買うんじゃないのかなって。

そしてこのワンピースはPOP UPでの販売で今買わないともう買えないかもと気づいて。
でもそんな一時の感情や衝動で自分にとって大きな買い物をしてもいいのかねということにも気づいていて。


自分の直感って信じていいのかなぁ…
でも、やっぱりこのワンピースほしい…!


しばらく悩んで。


考えて。考えて。考えて。



考えて、考えて、考えて。




結果、買わなかった。

買わずにそのPOP UPも三叉灯もあとにした。

そこまで考えたのならもういいから買いなよ!!
って感じる方もおられると思うのですが買いませんでした。

でも一つ決め事をして。

次にあと一回だけPOP UPに足を運んでみて
まだこのワンピースがのこっていたら
わたしはこのワンピースを自分に贈ろう

だから結局買わなかった。

買わずにそのPOP UPも三叉灯もあとにした。

また来るよと心に決めてあとにした。

これはPOPOさんが今年2月に新しく立ち上げたpopo cocoさんのPOP UP.在廊していたらミシンを踏んでいたとのことだけどタイミング合わず、でもミシン踏むPOPOさんからの景色はこんな感じなのかなともなんとなく思う


昔から考えることが得意で。
得意というか考えてしまう性格で。

呼吸って無意識にできることじゃないですか。
あれと同じでわたしは呼吸するのと同じ感覚で考えることができるんですよ。できるというかできてしまうというか、なんというか。

だから直感とか、自信とか、自分の気持ちとか、
そんな目に見えないものを感じることは苦手で。
苦手というか感じられても疑ってしまう性格で。

石橋を叩いて割るような、そんな性格。

慎重すぎるほどに慎重で、
考えすぎるほどに考えてしまう性格。

そんなわたしが一目惚れしたワンピース。


あるのかな、ないのかな。


まだ残ってるかな、もう売れちゃったかな。


…あってほしい?…ないでほしい?



もうよくわからない!

ここまで考えて、



考えて、考えて、考えたんだから、



もうあとは運にまかしちゃえ!!!












これは大学時代の友人に会いに行って2人でみたネモフィラの花畑。その友人に会って元気をもらいたくて、そしてネモフィラの青さと関東平野の空の青さと広さを見に行きたくて、そこに1番合う服ってどれだろうって考えたら、直感でぱっとあの青のワンピースが頭に浮かんだ☺︎



結局、買いました☺︎

ラックの一番端っこにかかっていました。

あの青のワンピース。

ちゃんとのこってました。ありました。

20歳に自分へ贈り物すると決めた幼き自分と
初めてワンピースに会った日の自分との約束、
きちんと守りました。

そこからあのワンピースを着て色んな場所へ出掛けました。
このワンピース、タイプライターという少しかためでハリのある生地のため、わたしはお出掛けの中でもフォーマルなお出掛けのときに着ていきました。もちろん今でも着ていきます。

松屋銀座「ディズニーキャッツ&ドッグス展」
ポーラ美術館「ピカソ 青の時代を超えて」
bunkamuraシアターコクーンで観劇した「オリエント急行殺人事件」
だいすきな合唱団の定期演奏会
大学の友人に会いに行った国営ひたち海浜公園
ザムザ阿佐ヶ谷「上の助空五郎 ひだびとの唄」
ほかにも色々と。

フォーマルな場所に行けるようになること、
そこに出向いて社交の場や社会、芸術を知ること
それらをたのしめる人間になること。
自分にとって大人になるとはこういうことだと思ったし、わたしはそのためにそれ用の服を持つことってとても大事だなと思いました。
たぶんあのワンピース持ってなかったら自信もなく気後れしてああいう素敵な場に行くことはしなかっただろうなと。
むしろあのワンピースのおかげで自信を借りたり纏ったりして大人なりたての自信ないなりに社交の場へ向かえる感覚。あのワンピースは心のお守りという感じなのです☺︎

そして24歳になった今日ふと思うんです。
あ、自分の直感って信じていいんだなって。
もう少し自分を信じてあげてもいいんじゃないかなって。
もっと自分の感情を信じていきたいなって。

それはいつかPOPOさんとの会話でPOPOさん自身がおっしゃっていたことでもあって、
「僕は自分のことを自分だけでもちゃんと信じていたいなって思うんです」
「なんとなくですけど今までやってきたものが僕にはあるから大丈夫だろうなって☺︎」

だからこそPOPOさんの
「ののかちゃん、自信持っていきましょー!」の言葉ってすごく自信持てるっていう。

普段つくり手の想いとか聴く機会そうないじゃないですか。
でもPOPOさんは1人で一から全て手づくりで服をつくっていて、時にPOP UPで実際にミシン踏みながらお客さんと話しながら服を売って。
POP UPの度に足を運んで、POPOさんとお話しして、じっくり服選んで買うっていうのがおよそ4年続いてるわけなんですけど、そうやって話してきた時間の中で縫製に積み重ねてきた想いや時間があるのがわたしにはすごく伝わっていて。
わたしは実際に見たわけでないけど、見えていないものを懇切丁寧に紡いできたPOPOさんのすごさ。

あとPOPOのお洋服って袋縫いっていう着心地のよくなる縫い方をしてるところとか、ギャザーをちゃんと計算してるところとか、
ぱっと服を見ただけでは伝わりづらいであろうこだわりと良さをたくさん持っていて、
服の裏側って見る人そんなにいないからその良さは影に隠れていて見えていなかったということもあるだろうし、
純粋に服の着心地の良さをただ見落としているだけだったのかもしれないとか。
あとはつくり手のこととか、つくっている過程の裏側にまで思いを巡らす人がどのくらいいるのだろうかとか色々あるだろうけど。

そういう目に見えないもの、
自分も大切にしていきたいなと思います☺︎

そしてワンピースとかその価値観とかその色々、
よくPOPOさんに感謝を伝えてはいるんですけどいまいち伝わりきってないような気がして☺︎
でも伝わっているかとかそんなことはさておいて自分だけは自分の気持ちとか自分自身のことを疑ったりなかったことにせずに感謝や尊敬の気持ちを持ち続けようと思います☺︎

以上、一生物の価値観と出逢ったご縁から感じたことでありました!

色んな青さを目にした時にやっぱりあのワンピース買ってよかったなってふと思う


青がすきな役者 柴田ののか


🌟スペシャルサンクス:POPOさん

POPO
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