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ささやかな幸せを知る者よ

最近広がる秋空に心が澄んだ。柴田ののかです☺︎
役者として出会った人々やご縁と発見、気持ちと想い出、そんな909との時間を綴るnote.
お次は空さん。空さんこと"空木空"さんです☺︎

左が空さん、右が柴田。
舞台『名探偵はご機嫌ナナメ』での共演シーンは短く、真犯人役の空さんを刑事役の私が手錠をかけただけ。逮捕と連行。それだけ。短い。


TEAM909劇団員の空木空さん。
うつぎそらさんと読みます。
そらきそらさんではありません。

とか言いながら夏公演のLINEでの配役発表の文字情報だけ見て、わたしはがっつりそらきさんと読んでしまっていたんですけどね☺︎
初対面だった顔合わせで自己紹介されて初めてうつぎさんと読むことを知りました。
一歩間違えていたら間違った空木さんでその名前を呼ぶところでした。あぶないあぶない。

とか言いながら初めて空さんの名前を呼んだ時は、そらきさんでも、うつぎさんでもなく、
「齋藤花(さいとうはな)さん」でした。
は?って思うでしょ?頭こんがらがるでしょ?
でもこれは決して間違いではなくて。
顔合わせの日の稽古で仲を深めましょうということで「イメージ他己紹介」のワークをやったんです。

【イメージ他己紹介】
2人1組になってお互いがお互いのことを観察・分析して、相手のパーソナルな情報について相手に成り代わってその人のことを紹介するワーク。
端的に言えば自己紹介の相手版。

相手と会話せず外見だけでその人の内面、つまり名前や性格、家族構成、趣味や座右の銘などを想像して相手の紹介をしたんです。
その時に空さんを見て「齋藤花さん」っぽいなぁって。ぱっと思いました。

ゆるふわ系で、自然的な印象。
観葉植物とかカフェめぐり。おさんぽ。
たべること・ねること。
コットン・リネン、白色・生成色。
ふわふわ、にこにこ。もわもわ、さよさよ。
喧騒から切り離されたゆったりと流れる時間。
ひだまりが似合うような、そんな印象。

複雑で難しい齋藤とシンプルでわかりやすい花。
それを合わせて齋藤花さん。
そうやって他己紹介した記憶があります。

空さんはその他己紹介を受けて、
「わたしの理想を詰め込んでくれて嬉しい」とおっしゃっていました。

でもわたしにとってあの時のゆるふわな印象は正直今でもずっと変わってなくて。空さんのことをふわふわしていてあたたかな方だと思い続けています。だって本当に空さんといるとあたたかくてふわふわしてたのしいんだもん。

空さんはふわふわした空さん像を理想だと言うけどそれを現実でたのしいと思うわたしがいる。なんかすれ違っている気がしなくもないけど、そんなところも含めてわたしは空さんと一緒にいるのすきなんですけどね☺︎

わたしの思う空さんのすきなところ。

いつも歌ったり踊ったりしてるところ。
手振り身振りがユニークなところ。
持ち役への愛情が深いところ。
人のいいところを見つけたらすぐに本人に直接伝えにいくところ。
どんな気持ちもまとまりきらなくても擬音を使ってでも熱と心を込めて伝えてくださるところ。
こどものような純粋さと淡々と話す時の大人さを兼ね備えているところ。

その名のようにどこまでも澄んでいるところ。

齋藤花もそれなりに考えられてはいるのですが、
空木空さんのお名前には足元にも及びません。
やっぱり空さんは空木空さんがいいのです◎
うつぎそらさんなのがいいんです☺︎

この写真は空さん関係なくて、近いのになかなか会えない場所に住むわたしの友人が青を見るとわたしを思い出すとその子の空を送ってくれたもの。空ってなんだかいいなって。つながっていることを忘れがちだけど天気が違ったってきちんとつながっている、その感じ☺︎

空さんは幸せを見つけるのがとても上手だと思う。どんな小さな幸せでも感じられる繊細さ。

空さんのたのしい話やしあわせな話。
昨日起きたよかったことや明日起こるたのしみなこと。ミニサプライズやプチラッキー。

いつもの日常。誰にでも訪れていそうな日々。
でも空さんはそのいつもの日常に誰もが見落としがちなささやかな幸せを見つける天才。

「そんなのなんでもないよ〜」
「大したことないよ〜」
って空さんは言ってたけど。

空さんには純粋なものが宿っているんだなって、
稽古場でふとした時に思うのだ。
そのたのしそうな空さんを見逃さないようにしたいなって思うくらいには。

夏公演の稽古場にて。休憩中にも関わらず役づくりに関してどちゃくそ真剣に話してる空さんとわたし。
2人で頭を抱えながらうんうん唸ってるんだけど、頭使うことをはんぶんこして分け合ってる、その感じもすき☺︎

わたしは普段こどもたちと学び合う場所でお仕事をしているんですけれど結構ドタバタな毎日で。
こどもたちと同じ時間を共にするには、パワーを持っているこどもたちを上回るパワーが必要なのに限りないそのパワーに勝てるはずもなくて。

平日仕事して土日に稽古。多忙極まれり。
ささいなことを重大なことのように思って落ち込んだ。

落ちて、
落ちて、
落ちて。

とどめのように落ちて泣いた次の日。
仕事場に向かう道中で強い風が吹いていて前髪ぐしゃぐしゃをなおそうと思って顔を上げたら、
秋空の広さと青さと透明さにふと立ち止まって。

あ、空ってこんなにも高かったのかって思って。

あ、わたしってこんなにも素敵な空を見逃して冬を迎えるつもりだったのかって思って。

あ、わたしってこんなにもささいな空を見上げる時間さえ失ってしまっていたのかって感じて。

あ、空ってこんなにも澄んでたのかって感じて。


ささいな幸せってやっぱり感じ取るの難しいんですよ。
心の純粋な人にしか見つけられないような気がしてるんですよ。
それを幸せだと感じられる人にしかその幸せは訪れないんですよ。

きっと幸せって、それを幸せだと思うから幸せだと思うんですよ。
何気ないことも幸せだと思うから幸せなものになると思うんですよ。

だから幸せって言ったって、
なんでもないような大きさの幸せもありうるし、
大したことのない大きさの幸せもありうるんじゃないかなって。

それをふと空さんに伝えたくなって。やっぱり空さんは幸せを見つける天才なんですよって。
なんでもないようなことであろうがなかろうが、大したことあろうがなかろうが、それはなんであれやっぱり幸せであることは紛れもない事実なんですよって。だから空さんって幸せを見つける天才なんですよ!って!!

平日仕事して土日に稽古。多忙極まれり。
稽古に行く楽しみがまた増えた。


ささやかな幸せを知る者にわたしはなりたい

ささやかな幸せを知らせる者にわたしもなりたい


幸せを探す役者 柴田ののか

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