セカンドステージを楽しもう:Vol.2 地域に溶け込む


▽職人との出会いで変わる意識

 とにかく東京で長年、仕事をしていたときは職場と自宅の往復の生活に「余白」はなく、地域との関わりはまったくと言っていいほどなかったです。

そんな中、ある人の紹介で地元のパン屋さんとつながりました。このパン屋さんは、地元のシェフ、生産者等の職人さんと四半期に1度くらいの頻度で交流会を開いていまました。この39BAR(サクバル)という集まりに混ぜていただくことになり、ここから一気に地域との関わりが深まりました。

メンバーは地域を盛り上げたい!とする熱意が溢れ、会話の中で生産物や料理へのこだわり、特異なスキル、ストーリ性など、サラリーマンの自分にないものに憧れるようになりました。

彼らが作る農産物や料理の美味しさを地肌で感じる瞬間は本当に価値があります。食材はシェフの調理いよってさらに進化し、素材や地域の価値を高めます。

東京にも美味しいレストランはたくさんありますが、料理という最終商品を属するplaceのように思うようになり、他方で、職人、生産物や料理のストーリーや生産物ができるまでのプロセスがわかるのが産地のアドバンテージだと思います。

シェフや生産者を通じてますます「人とのつながり」が広がっていくワクワク感

ご当地のレストランは家庭的なところが多いので、食事に行くと必ずシェフと対話できます。ゆったりとした中で5感で味わう食事。これが地方のメリットだと思います。イタリアにいたころのスローフードを再認識するようになりました。

最初のパン屋さんとの出会いがなければ、今の私はありませんでした。今頃、東京でまだサラリーマン生活を続けていたと思います。


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佐久ミッシュ

畑のレストラン(佐久穂)


▽佐久の自然環境(浅間山、里山)はすばらしい:Stress-free or less の生活

地元の人には当たり前の自然環境が東京から来たよそ者には宝物のように思えるようになりました。

特に目の前に広がる浅間山は毎日、表情が変わり、癒やされます。佐久市は全国でもトップレベルの晴天率を誇るため、気分もよくなります。お日様は脳内物質の分泌にもプラスになります。

里山もいい景観です。清流、山、田んぼの風景にも癒やされます。

空気と水に恵まれた土地。水道水がお美味しいと感じる地域は日本でもそんなに多くはないと思います。

牧場

田んぼ01

貞祥寺


▽佐久の魅力は地域資源にあり:よそ者の視点

そんな中、佐久での仕事の関係で佐久商工会議所との関係が深くなり、農、食、自然という地域資源の魅力を地元の人などに伝える役割を担うようになりました。街づくりの委員会にも参加したことがありました。

http://39agri-food.jp/site/colum/kato/


佐久で生まれ育った人は、私が当時感じていた佐久の魅力は当たり前のように感じているようだったので、よそ者の視点で魅力を整理しました。移住促進とか首都圏の人の呼び込みをする前に、まずは地元の人が地元の良さをわかっていることが重要と思います。そうしないと都会の人には響きません。

この地域資源の投稿記事がきっかけになって、「佐久の農×食は宝」の冊子の編集しました。佐久で私が知り合った職人、生産者など「面白い人」を紹介した冊子です。

その後は、未来を背負う子供たちをターゲットにしたいと思い、親子で学ぶ農と食育の絵本「いただきます」を編集しました。根底にあるのは「身土不二」の大切さを伝えること。季節ごとに地元で取れた新鮮な農作物をいただくことが健康につながる。

http://39agri-food.jp/site/ehon/

佐久も他の地方都市と同様に全国チェーンの店が増え、食生活が大きく変わりつつあります。せっかく産地で生活しているのだから、「地元で取れたものを食べよう! 農業を大事にしよう! 生産者に感謝しよう!」、こうした編集メンバーの思いに同調する人が増えれば地域環境にもプラスになる、と思っています。

発刊後の昨年(2019年)から、各季節で絵本に関わるイベントを開催しています。野草を摘み取って料理をしたり、夏野菜の美味しさを体感したり~。

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