レモン水、しょうがビスケット
私は最近ムーミンシリーズの本を気に入って読んでいます。
読んで行くと度々、これは英語でこういう意味なんだろうな、と思うおもしろい翻訳が出て来ます。
最近読んだ『ムーミン谷の彗星』で目に留まったのが、レモン水としょうがビスケット。
スニフが言った『ぼくレモン水がいい、赤いの!』
このレモン水はきっとレモネードの事で、赤いのと言うのはグレープフルーツやブラッドオレンジを使ったレモネードの事でしょう。
ムーミンママが言った『しょうがビスケット、いかが』
しょうがビスケットとはジンジャーブレッドクッキーの事でしょう。
西洋の文化がまだ少ししか伝わっていない時代、戦前生まれの翻訳者がスウェーデン語の本書を読んで、食べた事も聞いた事もないそれを直訳したんだろうな。
そしてその翻訳版を読んだ日本の子供達は、その初めて聞くレモン水としょうがビスケットと言うその何かに異国の食べ物への憧れを感じたのではないでしょうか。
そんな風に妄想が広がる昔の翻訳本が好きです。