はじめに

ある朝のこと。出かける支度をしていると、外は突然の嵐。

オヤ、先日はもういよいよ春の陽気だと、ご機嫌な気持ちになってきたというのに、天候とはいかに気まぐれなものかと、ゲンナリした気持ちを抑え、シャツのボタンをかける手を止めて、そのままそれを脱ぎ捨てまして、衣替えしようかとまとめてあった服の山の中から、セーターを引っ張り出し、渋々着直した、そんな三月の上旬。

三月二十七日(土)から開店します「モールファクトリー」にて、私は助手として主に土日に勤務します。

開店当日には、どうか暖かくなってほしいものです。
新しく作った、店の名が刺繍されたシャツを、震えながら着たくはありません。

最初にお伝えしておくと、助手とは名ばかりで、実のところ私はズブの素人。今もこうやって店のことや印刷についての説明を、カタカタとパソコンで入力しているのですが、この知識を得たのも、ここ数ヶ月の間のことで。例えばデザインなんてものや、その他機械の使い方など、まだまだほとんど一人では扱えないような、そんな状態です。

かなり頼りないのです。

まあ、何が申したいかと言いますと、私たちがこれから始める印刷のことに関して、素人でも興味を持っていいのだということです。

というか、素人だからこそ、知らないからこそ、興味を抱くものだと私は思います。
「面白そう」を「面白い」に変えるためにどんなものなのか、分からないならば、一度触りにきてください。

興味本位でいいのです。わからないものに沢山出会って、私と一緒にあたふたしましょう。自分以外の かが慌てふためいていると、案外落ち着けるものですよ。

まだ がやたらに強く、夜は震えながら過ごすこの頃。それでも、マスクをずらして吸い む外気には湿った草木の匂いが混じっています。これは紛れもない春の香りです。きっと今より暖かな空気を纏えるであろう

「 三月二十七日、三月二十八日 」

たくさんの知らない方々に会えることを、とても楽しみにしております。

よろしくどうぞ。




【MOLE FACTORY フライヤー 第一弾コラムに掲載】


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