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みんなメアリー・スーになって俺TUEEEEEを体験したい

 些か古い話で恐縮だが、「もしドラ」ってのも異世界転生系の一種だったよね。ある能力を持った人が、その能力が希少な世界に移動して、無双する様に感情移入する話になっている。ループ物やタイムトラベル物もその変奏の一種で、未来を経験した人がその希少な経験を使って過去で無双するのだ。で、そういう都合のいい設定は古今東西あって、「メアリー・スー」なんて言葉もある。

 これが様々な形で繰り返されるのは、僕らがそういう経験を好むからだろう。俺tueeeeeeをしたいんだね。

 で、その動機って悪いもんではなくて。そもそも、人が人の面倒を見たりする、なんてのも、この俺tueeeに動機のいくばくかがあると思っていて。それをかっこよく言えばノブレスオブリージュとかになるのかもしれないなと思う。

 能力が高い人が、能力の低い人の面倒を見るってのは、子育てから高齢者福祉まで、あらゆる人間集団の場面にある構造で、普遍的な物だと思うし、能力の高い人が低い人を食い物にして憚らない環境よりはずっと生きやすいと思うんだ。そういうエリーティズムに、僕は割と素朴に、というか、楽観的な期待をしていたりする。

 僕らに俺TUEEEEへの欲望が普遍的に備わっているってことは、僕らもまたそういうある時代において、高い能力で世間に貢献することを喜びに感じた人々の子孫だからだってことだし、逆に言うと、能力の高い人が、他人を食い物にしていく集団は淘汰され、存続できなかったのかもしれない。

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