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秘密日記

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2024年7月の記事一覧

意味の占有〜「いいね」「アッハイ」説

「意味の占有」という概念があるそうだ。 コミュニケーションは意味を圧縮した表現を移動しあう行為だ。私たちは表現を移動して、相手はその表現に圧縮された意味を解凍して受け取る。 ところが、この圧縮と解答のプロセスではしばしば齟齬が起こる。例えば、AさんがA’という意味で発言したことを、BさんがB'という意味で解釈する。意味を直接相手の脳内に伝達する技術を人類はいまだ獲得していないので、大なり小なり発信者と受信者との間で意味はズレる。 この「表現と意味の二重性」を逆手にとると

「無関心が一番の悪」説とアテンションマネジメント

「無関心が一番の悪だ」というような慣用句がある。例えば海外で悲しいニュースがあるとして、その問題を解決できないことは悪いことではなくて、問題に無関心であることが、なによりも悪いことだよ、だからいたずらに無力感に苛まれることなく、関心を持とうね、というわけだ。言っていることはわかるが、なかなかマッチョな言い回しだと思う。 この慣用句に触れるたびに思い出すのが、アーヴィング・ゴフマンのいう「儀礼的無関心」だ。ゴフマンは1950年代のアメリカのミドルクラスの公共空間でのふるまいか