すきなひとのすきなところ10個
すきなひとのすきなところなんて、いくつだって言えると思っていた。
だから、たまごまるさんがプレゼントしてくれた企画のひとつを見て、これは簡単に書けそうだと思った。
でも、いざ書こうとすると意外と難しい。
好きなところはいくらでも思いつくけれど、1個書いただけで、「ごちそうさまです…」って感じになってしまう。
10個読み終えるころには、かなりおなかいっぱいになっちゃいそうだ。
だから、もし読んでいる途中でおなかがいっぱいになってきたら、離脱しても大丈夫。
そして、心が荒んでいるときには、このnoteをそっと閉じることをおすすめする。
それでは、まず1つめ。
すきなところ①背が小さい
彼は、私と同じ159㎝。男性にしてはかなり小柄だと思う。
私は、背が小さい人がタイプかというと、そうではない。背の大きい人もかっこいいと思う。背が小さい人が好きなわけではなくて、彼のことは背の小さなところも含めて好きなのだ。
私の友達は、つきあうなら身長の高い人じゃなきゃいやだと言っていた。人の好みはそれぞれだと思うけれど、身長が高いかどうかなんて、本人にはどうしようもないところで、その人を判断してしまうのは少しもったいないような気がする。
背が小さいのも悪いことじゃないよ。
私と彼は、同じ身長だから、話すときは小さな声でも通じるし、同じ目線の景色を見られる。
以前こんなこともあった。
ディズニーランドで、プロジェクションマッピングを見ていたとき、前にいた女の子がお母さんと二人で観ていたけれど、見えないよーって泣いていた。私の隣にいた彼は、さっと女の子を抱えて、ショーを見せてあげていた。
傍目に見たら、背の小さな彼がかなりキツそうな姿勢で女の子を抱えているのは、かっこよくなかったかもしれないけれど、目の前の女の子を一所懸命になって喜ばせようとしている彼は、すごくかっこよかった。
ふう…この調子で、あと9個も挙げていたら胃もたれしそうなので、次からは、ちょっと短くする。
すきなところ②よく泣く
私は、あまり男の人が泣くのを見たことがなかったから、彼が泣くのをみてはじめはびっくりした。
でも、『ローマの休日』を見ては泣き、『ベイマックス』を見ては泣く彼を見ていたら、男の人だって素直に感情を表したってかっこ悪いことじゃないし、むしろ泣くと涙がきらきらしてきれい!と思うようになった。
彼は、悲しいことや辛いことがあったときも、我慢するんじゃなくて、素直に泣いてくれるから、私も安心して彼の前で泣ける。
すきなところ③興味が全然ちがう
彼は、熱電材料の研究者で、私は西洋美術を研究している。
趣味も結構ちがう。
でも、全然ちがうからこそ、視点の違う意見を聞けたり、未知の世界を知れたりする。私たちは、お互いのことをすごく面白い人だと思っているのは、そのせいだと思う。
彼は私と付き合うまでほとんど本を読まなかったけれど、最近は本を読んで素敵な感想を言ってくれるようになった。美術館にも一緒に行ってくれる。
私は、飲み会が苦手だったけれど、彼が所属していた研究室の留学生たちと、ご飯を作って食べたり、一緒にボードゲームするのは、とても楽しかった。特に楽しかったボードゲームは、「カタン」、「カルカソンヌ」、「花火」かな。
すきなところ④おいしいものが好き
私は、食べることが大好きなので、味覚があうのはとてもうれしいポイント。彼は、パンケーキとか、チョコレートドリンクとか、食の好みがちょっとJKみたい。私は、そばとか焼き鳥とかお寿司とかが好きだから、ちょっとおじさんぽい。
でも、二人とも「おいしい!」となるポイントは、ほとんど同じ。
私が作った料理を、おいしそうに食べてくれるところも好き。
すきなところ⑤いつも笑っている
②で「よく泣く」と言ったけれど、彼はたいてい笑顔だ。
笑顔がデフォルトだから、いつも彼の顔には笑いじわとえくぼがある。
機嫌が悪いところや、怒っているところをほとんど見たことがない。精神的に不安定になりやすい私は、彼の笑顔にいつも救われている。
すきなところ⑥人のいいところを見つけるのが得意
彼は、サークルの先輩だった。サークルの飲み会で、話題が誰かの悪口になることがよくあったけれど、そのたびにふわっと話題を変えているのが彼だった。たぶん彼と話している人は、彼が話題を変えていることに気づかないくらい、スマートに話題を変えていた。私は、あまり話さずにみんなの話を聴いてばかりだったから気づいたけれど。
そのコツを彼に聞いたことがある。
そしたら、彼は、「悪いところ探すより、面白いところ探す方が楽しいじゃん」と言っていた。たしかにそうだけれど、人って弱いからなかなかそうできないことも多いと思う。私は、悪口に同調してしまうことも多いけれど、彼みたいになりたいなと思っている。
すきなところ⑦いいにおいがする
彼のにおいが好きなんて、ちょっと変態っぽいかもと思っていたけれど、昨日同じことをnoteに書いている方がいたので、私も安心して(?)書ける。
彼は、いつもふわふわお花のような香りがして、彼の持ち物やお部屋もそのにおいがしていた。洗剤かシャンプーのにおいかなと思っていたけれど、同じ洗剤やシャンプーを使っても私はそのにおいにはならなかった。彼が近くにいると、ついくんくんしてしまう。
あと3つ!
すきなところ⑧デートプランがすてき
彼が企画するデートはいつもかわいらしい。
菜の花を見に行くデート、お弁当を作って公園に行くデート、ケーキ屋さんをめぐるデートとか、いつもそんな感じだ。
はじめのころは、私のためにそんなかわいらしいデートを企画してくれているんだと思っていた。けれど、旅行に来た男友達を案内するときも、同じようなところに連れて行っているから、ただ単にそういうところが好きなんだとわかった。
すきなところ⑨ヒーローみたい
私は、彼に一番言ってしまう言葉は、たぶん「かわいい」だと思う。
でも、本当はすごくかっこいい。
困っていると、いつも駆けつけてくれる。
今は、遠く離れて暮らしているけれど、忙しいのに時間を作って会いに来てくれる。
毎晩寝る前に電話で話を聞いてくれる。
私がイタリアに留学していて心が折れそうになっているとき、彼は大きなスーツケースと小さなリュックサックを持ってイタリアに来てくれた。大きなスーツケースに入っていたのは、全部私への贈り物で、小さなリュックに彼自身の荷物を詰め込んでいた。大丈夫だよ、きっと最後まで頑張れるよと私を励まして彼は帰っていった。
ラスト!
すきなところ⑩自然体でいられる
彼と一緒だと私は自然体でいられる。頑張りすぎることも、無理することもない。
彼とつきあうまで、私は本当に自信がなかった。容姿も、性格もかわいげがないって悩んでいた。
でも、彼は、どんな私でも好きだと言ってくれた。化粧をしていないときも、寝起きで髪がぼさぼさでも、ちょっとイライラしていても、怒っていても。
彼とつきあって間もないころ、私たちは少し遠くに出かけた。
女性の身体は月と同じく満ち欠けがあるけれど、ちょうどそのときの私はかなり調子の悪いときだった。だんだんと体調が悪くなっていった。それでも、せっかくのおでかけなのだからと我慢していた。
ところが、彼はそんな私の様子にすぐに気づいて、帰ろうかと提案してくれた。そして、「体調悪いときは、無理する必要なんてないんだよ」と言ってくれた。
彼の部屋に戻ると、私は申し訳なくて「ごめんなさい」と言って泣いてしまった。でも、彼は「どこにいたって、僕は、二人で一緒にいられるならそれだけで楽しいから、謝る必要なんてない」と言ってくれた。
私は、それ以来、彼の前では我慢したり、無理したりしていない。
ありのままの自分を受け止めてくれる人がいることが、こんなにも心強いことだとはじめて知った。
いまでも、自信があるとは言い難いけれど、こんなにも素敵な彼が自分のことを好きでいてくれているのだから、私も自分のことを好きになりたいなと思う。
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たまごまるさん、素敵な企画をありがとうございました。
私は書いていて楽しかったですが、読んでいる方にとっては苦行だったかもしれません。ただの惚気話でしたね。
ただ、私はこうして言葉にしてみて、記憶が蘇ってきたり、新たに気づいたりしたこともありました。
好きなところを10個挙げるというのは、大切な人との関係を見つめ直す、とてもよい機会になると思いました。