白黒人間
ミスターホワイトはそ名の通り真っ白い肌をしており、ミスブラックは反対に真っ黒い肌をしていた。肌の色だけではなく二人は性格も嗜好も考え方も、凡そありとあらゆる面において正反対であった。
最初はお互い何一つとして分かり合えない二人であったが、ある時偶然に互いがお互いの欠陥を補い合うことを発見した。
それ以来二人は意気投合し、程なくして結婚した。
やがて二人に子供が生まれた。
子供は双子で、一人は黒っぽい肌の男の子で、もう一人は白っぽい肌の女の子であった。
やがて二人は成長し、それぞれ白っぽい女性と黒っぽい男性と結ばれた。
これはあるいはとても調和のとれた世界なのかもしれない。しかしこのままでは、この世界は多少の濃淡こそあれ、何の凹凸もないどこまでも続く鼠色の平面になってしまう。
そしてそれは死を連想させる。
そう考えた神は世界に色を塗ることにした。
2019年9月ssg投稿(一部修正)