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【イタリア・スイスの旅】11日目:中世の面影を残す古都ルツェルンを散策

【11日目 8月7日(火)】
9:30  グリンデルワルト発・ルツェルンへ
11:55 ルツェルン着
12:30 ランチ
15:00 シティトレイン
16:00 市街観光
19:00 ディナー
 
次の目的地はルツェルン。途中インターラーケンで乗り換えて約2時間半かけて移動する。この日と翌日の天気予報は大雨。予定を変更した方がよさそうだ。当初はこの日の午後に交通博物館に行き、翌日にピラトゥス山に登る予定だったが、雨天では山には登れない。交通博物館は翌日に行き、ピラトゥス山は翌々日に登ることにした。「今日は雨の中ルツェルン観光ができれば御の字だ。」そう思っていたのだが、移動中にあれだけ強く降っていた雨は、ルツェルンに着いた頃には上がっていた。またしても運がいい。
 
長く旅に出ていると、和食(特に白米)が恋しくなる。お昼は駅前の寿司屋で食べることにした。スイスの物価高にも慣れてきていたが、それでもかなり高く感じ、結局寿司ではなくBENTO BOXやポキ丼を注文した。味はまあまあ。日本から来た人には正直あまり美味しくないだろう。でも世界的なSushiブームのおかげで(というか、もう定着した感がある)どこの街でも寿司屋や日本料理屋を見つけることができるのはありがたい。
 
ルツェルンの宿は駅から徒歩15分ほどのエアビー。古いアパートを一棟丸ごと買ってリノベしたのだそうだ。昭和のアパート感のような外観に少し心配になったが、内装はそんなに悪くなかった。駅から歩いて宿に向かう途中、蒸気機関車の形をした観光バス「シティトレイン」の乗り場を通った。まずはそれに乗って市内観光をしよう、ということになった。ルツェルンの主要な観光地を通りながら40分ほどで街を一周してくれ、日本語が選べるオーディオガイドもあるので、ルツェルン観光の手始めにはちょうどいい。ぐずる次女の相手でほとんどガイドは聞けなかったけれど。
 
シティトレインを降り、今度は歩いて街を回る。カペル橋を渡って対岸の旧市街へ。カペル橋は14世紀に要塞の一部として建設された橋で、ヨーロッパ最古の屋根付き木造橋なのだとか。30年ほど前に火事で大部分が消失してしまったそうだが、再建されて今もルツェルンのランドマークとして街の中心を流れるロイス川に架かっている。川辺で水鳥を見ながらアイスクリームを食べたら、中世の面影を残す旧市街を散策しながらムーゼック城壁へと向かう。

こちらの城壁も14世紀に建てられたそうだ。城壁というのは敵から町を守るために建てるものだが、この時の敵とはオーストリアのハプスブルク家。勢力拡大を目論むハプスブルク家に対抗して13世紀末に結ばれたスイスの地方同盟がスイス連邦の原型になっているという。ルツェルンが原初3州に次いでスイス連邦に加盟したのは1332年。今も残る立派な城壁は、その後ハプスブルク家との戦いに勝利したスイス連邦においてルツェルンが重要な都市であったであろうことを想像させる。スイスの国旗に並んで、縦に青と白で二等分されたルツェルン州旗が掲げられているのを街中でたくさん見かけた。ルツェルンの市民にとってはスイス国民である前に、ルツェルン市民であるという誇りを今も持っているのだろう。

国旗と並べて掲げられるルツェルン州旗

ところで、このムーゼック城壁を訪れようと思ったのは、城壁の上から見る景色が素晴らしいと父の持っていたガイドブックに書いてあったからだ。わたしは高所恐怖所なのだが、見晴らしのいい場所で景色を眺めるのは大好きなのだ。高台にある城壁の上からはルツェルンの街やその奥に広がる山々を見ることができた。城壁に9つある塔の内の1つ、時計塔に登ったときにちょうど17時の鐘が鳴った。正確には16:59なのかな?シティトレインのオーディオガイドで、この時計塔の時計はルツェルンの他の時計よりも1分早く鳴るのだと言っていた。あまりにも大きな音でびっくりした。

ムーゼック城壁からの眺め

城壁の裏手に小さな牧場があり、思いがけず山羊や豚などの動物に遭遇した。徒競走用のレーンもあって、子どもたちは競争して遊んでいた。子どもたちが元気でうれしい。

城壁を歩き切るとまたロイス川沿いに出てくる。今度はロイス川に架かるもう1つの木造屋根付き橋であるシュプロイヤー橋を渡る。こちらの橋にも屋根の内側に三角形の板絵が掲げられていたのだが、骸骨やら病人やら、何やらモチーフがおどろおどろしい。どうやら絵が描かれた背景には中世ヨーロッパを震撼させたペストの流行があるらしい。
川沿いのレストランのテラス席でスイス料理を食べてから、歩いて宿まで帰った。雨のおかげで当初の予定にはなかったルツェルン観光ができてよかった。

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