見出し画像

ホスピタリティーあふれるクリスマス

今週金曜日は、いよいよクリスマスですね。無宗教が一般的になりつつある日本でも、クリスマスは家族や友達と華々しくお祝いをする、という人が多いのではないでしょうか。オーストラリアでも、プレゼントやクリスマスBBQ(Christmas Barbecue; Chrissy Barbie)の食材などを買いに走る人々で、ショッピングモールは大混雑です。
オーストラリアではクリスマスは祝日にあたり、多くの人が休暇をとります。1月上旬まで休みをとって、家族で旅行に行く人も多くいます。一方で、クリスマスでも休みなく働いている人もたくさんいます。たとえば、医師や看護師、介護士、警察官、バスや電車の運転手、また大手スーパーマーケットで働く人など、いわゆる「エッセンシャルワーカー(essential workers)」と呼ばれる人々です。「エッセンシャルワーカー」という言葉は、コロナ禍の日本でも、広く使われるようになりました。

オーストラリアでは、「エッセンシャルワーカー」と並んで、「ホスピタリティー(hospitality)」という言葉も頻繁に使われます。「ホスピタリティー」の直訳は「歓待、厚遇、手厚いもてなし」といったものですが、転じて「接客業、サービス業、小売業」などという意味で使われることもあります。オーストラリアでは一般に、「ホスピタリティー」とは後者の意味を指します。

She works in hospitality.
彼女は接客業をしている。

「エッセンシャルワーク」と「ホスピタリティーワーク」の違いはあまり明確ではなく、重複する部分も多くあります。ニュアンスの違いという点では、「エッセンシャルワーク」は医療や福祉、政府関係の仕事など、「ホスピタリティーワーク」はスーパーマーケットやショッピングモール、レストランやカフェなどでのアルバイト(casual work)を指す、という違いがあるようです。
とはいえ、どちらも重要であることは疑いありません。実際、私たちの生活は、エッセンシャルワーカーとホスピタリティーワーカーのおかげで成り立っています。彼らが週末も祝日も働いてくれるからこそ、私たちは安心して休むことができるのです。エッセンシャルワークおよびホスピタリティーワークには表面化しづらい仕事も多くあり、そのせいで私たちはときどき、彼らが私たちの平和な生活にどれほど貢献しているか忘れてしまいがちです。コロナ禍で多く見られた、ホスピタリティーワーカーの大規模解雇やエッセンシャルワーカーに対する侮蔑や暴行(abuse of essential workers)などは、私たちがいかに彼らに依存しているかを如実に表していると思います。

日本では、新型コロナウイルスが猛威を奮うなかでのクリスマスになりそうですね。今年はぜひ、エッセンシャルワークおよびホスピタリティーワークに従事する人々の献身的な働きぶりに感謝しながらお祝いしてみてはいかがでしょうか。そして、買い物などで彼らと接するときには、いつもより優しい笑顔で「ありがとう」と言ってみてください。あなたの笑顔が彼らの力になると思います。それこそまさに、クリスマスの魔法(Christmas miracle)なのです。😊

Merry Christmas and a happy new year!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?