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妊活日和#22

2020年6月。妊活開始から22ヶ月目。

妊娠反応が出てから2回目の病院受診は、胎嚢の確認。

この日までに体調の変化があった。

茶色いおりものはでなくなり、透明のおりものに変わっていた。また、日に日に空腹感が辛くなり、何か食べていないと気持ち悪くなってしまった。また、眠気もひどくなり車の運転中も大変になるほどだった。


受診の結果、胎嚢は無事確認できた。この時、妊娠6週目だった。卵黄のうが天使の輪のように輝いて見え、そしてまだ顔もない我が子に何故か愛おしい気持ちが湧いてきて、不思議な気持ちになった。仕事に行っている夫にもすぐに初めてのエコー写真をスマホに送り、2人で喜びを共有した。

次もまた2週間後の受診。次はどんな様子になるのか、ネットで8週目のエコー写真の画像を何度も検索しては、次回の受診結果に向けてひたすらお花畑なイメージトレーニングを行う日々を送っていた。


2週間後、妊娠8週目の検診。次は胎芽(妊娠8週頃までは、まだ胎児とは呼ばない)の大きさを確認。結果は3㎜。

「あれ?小さくない?」

事前にいろんなサイトをみて情報を頭に叩き込んでいたから、内心、そう思ってしまった。そして、普通ならこの週数に行われるはずの心拍の確認も先生はしなかった。「また2週間後、受診に来てください。」としか言わなかった。

受診後、必死にいろんなサイトで妊娠8週目の胎芽の大きさや、心拍確認はなぜしなかったのかを検索した。便利な世の中になったおかげで、いろんな情報が入ってくる。

調べた結果、「流産」という結論が多かった。

そういえば、ここ最近、眠気やら、つわりやら、なんだか軽くなっている気がする。もしかして、これは...。本当にそうなのかもしれない。いや、先生はまた2週間後受診と言っていたし、まだ望みはあるのかもしれない。

そんな悶々とした気持ちで生活していたら、数年ぶりに夏風邪を引いた。

「妊娠中は赤ちゃんを外に排除しないようにするために、お母さんの免疫力が下がる」らしい。

そうだ。私のお腹には、我が子がいるのだ。

私の体は、我が子を守るために働いているのだ。

そう思うと、まだ流産の可能性なんて考えるのはいけないことような気がした。


そして迎えた10週目の受診の日。

「うーん。5㎜だね。残念だけど、今回は妊娠継続は難しいね。」

先生は、心から残念そうにそう言った。一瞬視界が歪みそうになったが、寸前のところで、腹に力を入れ、背筋を伸ばした。

「お腹の子を出す手術をしなきゃいけない。明日、明後日にはやらないとまずいかもしれない。どう?いつにする?」

私はすぐにシフト表を確認し、ちょうど休みになっていた2日後に手術の予約を入れた。


頭の中では、私の年齢で体外受精を行い、その後「流産」する確率は自然妊娠よりも高いことは分かっていた。でも、それでもなお、心は頭に追いついていかなかった。


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