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絶対に許さない。

今でも鮮明に覚えていることがある。

中学のとき、とある国語の授業で
「床(とこ)にお入り」というセリフを
「床(ゆか)にお入り」と読んでしまった。

その日の放課後は「わたし…タイムリープしてる…?」と錯覚するほど健太くんからいじられた。

知らんし!「床(とこ)にお入り」って何やねん!!普通に「寝ろ」でええやん!意味わからんわ!!(床(ゆか)にお入りもそれなりにクレイジー)


――これが僕と「慣用句」の出会いである。


この中に慣用句知らねぇヤツいる?いねぇよなぁ!!って言いたいところだけどまぁ普通にいると思う。ぶっちゃけ僕もよくわからなかったし、

「慣用句って何かわかる?」

って嫁に聞いたら

「あ~アレでしょアレ。漢字とかのやつ」

と言ってきたから慣用句というフレーズ自体は知名度低いっぽい。漢字とかのやつってなに。



慣用句
読み方:かんようく
慣用句とは、特定の文化言語圏一般的に用いられる固定的な表現フレーズを指す。これらは、文字通りの意味ではなく特定の状況感情を表すために用いられる

引用:weblio辞書

まぁ例えば「足を洗う」とかね。

わかる、わかるよ。
「悪いことをやめること」でしょ。

でも足を洗うって普通に足を洗うって意味もあるじゃん?シンプルに足が臭いから足を洗えって話をしてるのに

「俺は何もかも失ったんだ!!今更…今更やめられるか!!!」

と胸倉掴みながら鬼気迫る感じで返された日には「は?何こいつ、口もくっさ」てなるじゃん?ならんか


いや「足を洗う」レベルの簡単なやつなら許せるよ?でも中には「そんなん日常会話で絶対使わんやろ」てやつがあんのよ。

それが許せない。ましてやそれをドヤ顔で使ってるヤツがいたらもっと許せない。無為転変の往復ビンタかましたいほど許せない。


というわけで、これから許せない慣用句をランキング形式で紹介する。

もしこの慣用句を使ってるヤツを街で見掛けたら、探偵バッジですぐ僕に連絡してほしい。

ソッコーで駆けつけそいつの臭い口に時計型ファブリー銃をぶち込みに行くぜバーロー。

******

宴もたけなわ(これも慣用句)なので、さっそく第3位から発表する。


絶対に許さない慣用句第3位

「筆舌に尽くしがたい」





いきなりきつい。


な、なんて?ふで…した…?

もうさ、読み方すら怪しいのは論外なんよ。

筆舌(ひつぜつ)って読むらしいけど、そんなん普段の会話で出てこないやん。

あれか?昔の人は筆で手紙を書くときに筆先ペロペロしてたとか?

「ペロッ…これは…まずい墨汁!筆舌に尽くしがたい!

みたいな?いや、まずい墨汁ってなんだよ。
美味い墨汁あるんかよ。



ひつ‐ぜつ【筆舌】
読み方:ひつぜつ
文章書くことと、口で言うこと。文章言葉

引用:weblio辞書

……。

あ~なるほどね。書いて字のごとく「文章と言葉にしにくい」的な意味ね。

使わんわ。

意味がわかったところで使わんわ!

日常生活でこれドヤりながら使ってるヤツはそのくせぇ口を開けて待ってろ!今すぐ滅びのバーストファブリーズをぶち込んでやる!


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絶対に許さない慣用句第2位

「枚挙に暇がない」




??????


枚挙さんは忙しいって意味??
枚挙さんって誰??

ってなるやろ~!初見殺しだってこんなん~!
なんか金曜夜10時からのドラマにありそうだし~!



枚挙に暇がない
読み方:まいきょにいとまがない
「枚挙に暇がない」とは、数え上げるほど多く事柄存在し、それらを全て挙げるのに時間がかかるほどであるという意味を持つ表現である。

引用:weblio辞書

…………。

……意味はわかった。

でも言わんやろ~!

こんなん難しい本かイキった個人ブログでしか見たことないよ~!

会社で使ってるヤツがいたら、たとえ上司だろうと秒でファブリーズの銃口を口に突っ込むよ~!



僕「上司さん、何か言い残すことはありますか?」

上司「ふっ、相変わらず優しいな。この美しい手際といい判断の早さといい、キミの良いところを挙げたらなかなかどうして枚挙に暇がないよ

僕「えっ……////(トゥンク」





ってなるかバーカ!!!ファブリーズの海で溺れ死ね!!!!


******

いよいよランキング1位の発表だ。
覚悟はいいか?俺はできてる。



絶対に許さない慣用句第1位

「五臓六腑に染み渡る」


五臓六腑に染み渡る
読み方:ごぞうろっぷにしみわたる

飲んだものなどが内臓全体染み込んでいくさま、染み込んでいくように感じられるほど美味しいもの、渇望するものであったさまなどを意味する語。

引用:weblio辞書

正直、この慣用句は2位・3位とは許せないのニュアンスが少し異なる。

というのも、この「五臓六腑に染み渡る」という慣用句は僕がよく使うものなのだ。ドヤ顔で。満面のドヤ顔で。

だから他の人には使ってほしくないの意味で許せないのだ。



僕は基本的にバカ舌だから「おいしいのストライクゾーン」がめっちゃ広い。

それに関してはとても幸せなことだと思うが、バカ舌なので日本酒とか飲み比べても正直違いがわからない。

味の違いがわからないから「うん、こっちのほうが冷えてて美味しい!」しか言えない。


そんなときに出会った言葉、それが「五臓六腑に染み渡る」だ。

か、かっけぇ~~!!!

内臓のこととかよく知らんけど、とにかく染み渡るほどのやつね~!!!


それ以来、日本酒を飲み比べるときは、より冷えているほうにこの言葉を使うようにしている。

「くぅ~!五臓六腑に染み渡るね~」



上司から「これ美味しいから食べてみなよ!」と勧められたときも使える。

「マジでうまいっすね!五臓六腑に染み渡るっす!」




こいつの汎用性の高さは往年のミスチルを彷彿させる程とどまることを知らない。

とりあえずカラオケでテキトーに褒めるときにも使う。

「よっ!いいぞ~!五臓六腑に染み渡る~!」



「好き」を共有したいときにも使える。

「マジでこのアニメ泣けるから!涙が五臓六腑に染み渡るから!」



雪が降ったら毎年言ってる。

「ふぅ…寒さが五臓六腑に染み渡りますね…」



さりげなく足の匂いを指摘するときに使える。

「五臓六腑に染み渡るほど足洗ったほういいよ」






とりあえず染み渡らせてる。
使いやすくてかっこいい最高の慣用句。

だから他に使ってるヤツがいたら許さない。








でも実際そんなヤツいたら仲良くなれる気もする。あるいは五臓六腑に染み渡るほどにね。

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