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非認知能力LABO×休校・休園中の過ごし方〜ドリルばかりやらせてませんか〜



はじめまして。現役英語教師で二児の母でもあるNANOと申します。教育に興味があります。仕事でも家庭でも「これからの子ども達にはどんな力を身に付けたらいいのだろう」と考えるのが楽しみです。

さっそくですが、「非認知能力」という言葉を知っていますか。認知=知識等を獲得する能力(学力)以外の力のことを言います。OECDの白書では、社会情緒的スキルという言葉も使われます。

社会的情緒的スキルは、「長期目標の達成」「他者との協同」「感情を管理する能力」3つの側面に関する思考、感情、行動のパターンである。社会の発展および個人のWell-beingにつながるような、人間が持つ様々なスキルのことを指す。社会情動的スキル OECD(2015)


今まで「生きる力がある」「地頭がいい」「世渡り上手」などという表現がされてきました。このような力が今一層注目され、今年度実施の学習指導要領にもふんだんに盛り込まれています。詳しくは、私のブログ”非認知能力LABO”をご覧ください!

さて、非認知能力を育むという視点で休校・休園中の過ごし方の工夫を考えてみたいと思います。


1.親が何も指示しない時間をつくる

  休校が長引くにつれ、特に学習面の遅れ等が心配になり、1日のスケジュールがみっちりというご家庭もあると思います。いわゆる「よい子」はそれをこなそうと一生懸命になります。やることを詰め込むことは、「自分なりに目標を設定し、他者と協同で達成する」ことのできる人を育むのには、逆効果といえます。やみくもに、言われたことをやるだけの受け身の生き方を子ども達にして欲しくないと願う親御さんは多いと思います。ぜひ何もしない時間を作り、そこから何が生み出されるかを楽しみましょう。ただし、この時間はゲームや動画などは禁止にしましょう。

我が家の場合、何もないと5歳と2歳で戦いごっこが始まります。その他、親の仕事に興味を持ってくれました。ベランダで遊びはじめました。祖父や祖母と話したくなりました。レゴでお店屋さんごっこを始めました。けいさつごっこを始めました。抱っこ抱っこ!とせがまれました。カンガルーについて調べたくなりました。母と2人の時間が欲しそうでした。絵本を読んで欲しいと言われました。外へ行きたーいと言われました。

まだ幼児ですから、親を求める時間が長いですが、私としては、ぼーっとした時間も上手に過ごせるようになって欲しいなと思っています。


2.自分でスケジュールや目標を立てさせる

 さて、1で述べたように自分で目標やスケジュールを立てることは、とても大事です。これから小中の授業は、この「目標達成」に向けて、「自己調整する力」を見取っていくと新学習指導要領でも明記されました。ここで大切なことは、あくまで自分でスケジュールを立てること(やる順番や時間配分なども)と目標達成までの手立てを考え、試行錯誤することです。この試行錯誤こそ!今新学習指導要領で求められている力です。幼児や小学校低学年は親子で取り組むとよいでしょう。

幼児でも簡単な日記や振り返りを親としてみてはどうでしょうか。我が家の年中男子の場合は、以下のように行っています。

・今日の目標(画像では消えています)
・今日やることのリスト
・今日楽しかったことの絵  を書きます。

画像1



 3.振り返りをさせる

  振り返りをするのは、初めての子には難しいです。まずは、具体的な振り返りの視点を与えてみます。もし今日の目標が「なわとび5回跳ぶ」であったら、まずできたか?できなかったか?その理由は何であったか?次はどんな練習が必要か?跳べた時はどんな気持ちだったか?などなど。

ここで大切なことは、目標達成のこと以外にも、できたことに注目するということです。5回跳べなくても、「今日は高くジャンプできてたよ」「自分1人で集中して練習できたね」「前向きに取り組めてていいね」「縄がピンとはれていて、上手にまわせてたよ」など。

毎回、一緒に練習できるわけではないと思いますが、このような褒めポイントの視点は、子ども1人でやっているとなかなか持てないものです。自分で自分の良いところをみつけ、それを伸ばすという力もついてくると思います。

 小学生や中学生は、もっともっと踏み込んで、できるようになったのはなぜか、なぜできなかったか、今後の目標はどんなことが考えられるかなど、詳しく分析していくとよいです。

  ドリルをやらせておいた方が親としてはなんとなく安心。でも、このような目標達成と振り返りの力こそ、時間のある今取り組むとよいのではと思います。


4.体験と学習の両輪で、学びを深める

  最後に、自宅での時間が長くなりますが、ぜひ色々な体験ができると良いと思います。体験と言っても、大袈裟なことではなく、主に家事ですね!料理、洗濯、掃除・・手や身体を動かして体験したことと学習したことが結びつけば、子どもにとって本来の学びになるでしょう。

計算ドリルをするだけではなく、料理の過程で材料を測ったり、合わせたりすることで、計算ドリルでの知識が身に付いてきます。時には、散歩しましょう。街路樹の特徴を話して、あとでぐぐってみるだけで素晴らしい学びになります。幼児は、絵本を読むこともよい体験になると思います。机で学習したことと体験して見たり、聞いたりしたことが結びついていくのが理想です。

休校・休園中は、普段できない本当の自分の興味と向き合う時間にするのがベストだと思います。親学習指導要領でも声高に述べられている「探求学習」のきっかけづくりともなるでしょう。

とは言っても、長い長ーい休校・休園期間。親が頑張りすぎて、ストレスを溜めないようにしながら、工夫して非認知能力のことも気にかけていきたいですね。

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