見出し画像

放棄竹林で翁がかぐや姫に出会うには?(前回の続き)

前回の投稿で、放棄竹林の問題について『竹取物語』に絡めて書きましたが、今回はその続きです。

もしも『竹取物語』の舞台が放棄竹林だったら、翁は竹に行く手を阻まれ、かぐや姫に出会うことができませんでした。では、翁がかぐや姫に出会えるようにするにはどうすればよいのか、私たちが取り組んだことについて書きたいと思います。

私たちの取り組み

前回の記事で書いたように、他の作物や人に被害を与える放棄竹林は様々な要因が絡み合って小田原のまちに広がっています。そんな放棄竹林の問題に対して私たちは何ができるだろう、とみんなで考えました。

話し合いでは、竹製品を作って販売する、竹についての問題集やダジャレを作る、などなど様々な案が出ましたが、私たちにできる一番のことは、「放棄竹林について知るきっかけをつくること」だと考えました。私たちが情報発信をして放棄竹林の問題について知る機会をつくり、関心を持つ人を増やすことで、問題解決へ少しでも貢献できるのではないかと思っています。

では、これまでに私たちが実施した取り組みについてご紹介します!

放棄竹林についての議事録公開

まず、情報発信の一つとして、放棄竹林について私たちが話し合ったときの議事録をSNS上で公開しました。(見たい方はこちらからご覧ください)

スクリーンショット 2021-08-22 21.59.26

竹カップdeコーヒー

放棄竹林の問題に情報発信という方法でアプローチしましたが、そもそも発信者である私たちが放棄竹林についてもっと知るべきでは?と思い、実際に竹林へ足を運び、竹を伐採しました。

伐採した竹で、試行錯誤しながら色々なものを作るなかで、「日常の中で竹を使えたら」ということで竹カップを作ることに。

まず、伐採した竹を竹カップのサイズにカット。その後、飲み口の部分を滑らかにするため、機械を使って外側を削り、更に内側もやすりで磨きました。そうして完成したのが、こちらの竹カップです!

画像1

そして、5月30日(日)、国府津のBLEND PARKにて開催された「530 CIRCUS」というイベントで、【てづくりシネマ】さんとご一緒に、こちらの竹カップにコーヒを入れて来場者の方にご提供しました!

画像3

会場にて、「竹カップかわいい」「欲しい!」と言ってくださった方もいて、日常生活での竹の活用に可能性を感じました!

また、竹カップでコーヒーをお渡しする際、放棄竹林についてお話ししたことで、来場者の方に問題を知っていただく機会にもなったのではないかと思います。

竹カップ手作りイベント

6月26日(土)、あきさわ園さんにて「竹カップ手作りイベント」と題し、前回のイベントで好評だった竹カップを、今度は参加者のみなさんと竹を伐採するところから手作りするイベントを【てづくりシネマ】さんと共同で開催しました。

画像4

イベント当日は、あきさわ園の秋澤さんが放棄竹林について、実際に被害を受けている農家さんの立場から詳しくお話ししてくださいました。

参加者の皆さんは、放棄竹林に訪れることも、竹を切ることも初めての方が多く、はじめは放棄竹林の凄まじさに圧倒されている様子でしたが、皆さんで協力し放棄竹林の竹を次々と伐採しました。

画像5

そして、自分たちで伐採した竹をそれぞれ好きな大きさにカットし、ナイフややすりで表面を削って、世界に一つだけの個性豊かな竹カップが完成しました!

竹カップ完成後は、事前に準備していた梅ジュースを竹カップに入れて乾杯。作業後の梅ジュースは達成感があり、とても美味しかったです!

今回のイベントでは、楽しく竹カップを作ることができただけでなく、参加者の皆さんに放棄竹林を実際に目で見て体感し、被害を受けている農家さんの生の声を聞いていただいたことで、放棄竹林の問題をよりリアルに知ってもらう時間になったのではないかと思います。

最後に

前回から今回にかけて、放棄竹林について書きましたが、いかがだったでしょうか。放棄竹林の問題に少しでも関心を持っていただけていたら嬉しく思います。

以前、竹に詳しい方とお話した際、その方が「放棄竹林は、悪者ではなく、その場に資源がたくさんあるということ。」と仰っていました。竹を、"みんなを困らせる厄介者"ではなく、"みんなが使える資源"として捉え、使いたいときに自由に活用してみることが、大事なのではないかと思います。放棄竹林の問題を根本的に解決することはなかなか難しいですが、「竹を使ってみよう!活用してみよう!」というマインドで、楽しく放棄竹林と向き合うことができたら、放棄竹林のなかで行く手を阻まれている翁をかぐや姫のもとへ導くことができるのかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

文章:あけ

サポートは、全て小田原での活動資金に当てさせていただきます!