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なぜ勉強しなければいけないのか?

朝日新聞の朝刊だけを購読しています。
昔はテレ番の為だったのが、今はテレビもあまり見ないし新聞をとるのも辞めようと思ったこともあります。
でも、何気なく読んだ記事に励まされたり、ヒントを得たり良い影響を受けるとやはり新聞購読やめられません。

そこで、どこか1つでも気になる記事を見つけようと心に決めています。
そして私になりに心に響いたことをここに記そうと思います。

2022年5月5日に気になった「学問のすゝめ」についての記事。
東京大学の宇野重規教授が「近代日本思想選 福沢諭吉」を出版。
その中で福沢諭吉が「なぜ勉強しなくてはならないのか?」についてを宇野教授がわかりやすく説明してくれていることがわかります。

150年前の日本は生まれによって身分が決まる時代。自分がしたい仕事にもつけない同じ人間なのに差別された封建社会を憎んだ福沢諭吉。
だからこそ学問をすれば境遇を変えられることを庶民にもわかりやすく、
語りかけるような文章で「ひらがな」多めで書かれたのが「学問のすゝめ」

なぜ学ぶのか?それは「道理」を見極める力、
つまり「正しさ、筋道、あるべき姿を理解するため」
それには読み・書き・そろばんプラス物理、歴史
生きる上で役に立つ「実学」が必要と書いてある。
それが今も義務教育にある国語算数理科社会かな。

そして学ぶだけで満足するのではなく、社会を良くするために学ぶ。
「これは違う」「筋道が通らない」と思ったら
きちんと声をあげる、相手がどんなに偉い人でも
それこそ国がやろうとしていることがおかしいと思ったら
ちゃんと自分の意見を言えるように学ぶんだ。という考えに多くの人が共感し当時ベストセラーとなりました。

今現在、勉強をして高学歴な人は富を得るために学んでいるように思う。
でも、学ぶことの本当の意味は貧富の差をうむためではない。

慶應義塾大学、福沢研究センターの都倉武之准教授は福沢諭吉が「Society]を「人間交際」と訳し、人が交わることが大事なこと
自分の生活だけに満足せず社会をよりよくするために人間交際の仲間にはいり、交際を広げる事で知識を交換しながら進歩しようと言っていたと。
それってまさに今SNSの機能でのことを思い返しました。
人をけなしたり、批判するのではなく
社会をよりよくするためにSNSを使いなさいよと言われた気がしました。

特に私も興味深く感じたのは、福沢諭吉が「怨望(えんぼう)」について書いた13編のことです。

他人と比べて不満を抱いたり、他人の不幸を願う事は嫉妬やうらみの害が絶大だと。思ってることも言えなくし、思ったように動くことを
禁止することで嫉妬やうらみが生まれるし、物事がうまくすすまない。
そうならないためにも、人は自分と違う人間と自由に交わりなさいというのです。違う考えの人と交わる事でむしろ争いはなくなる!
戦争すらなくなると言っています。
嫉妬やうらみって案外自分が勝手に勘違いしていることって多いですよね。
だから自分と違う相手のことは理解できない!ではなく理解しようと考えることが大事なんですね。

最後に「学問のすゝめ」の大きなテーマは「個人の独立」だそうです。
個人の独立って?私たち世界の一人一人が知徳と自由独立のスピリットを持った存在になること。一流企業に入って、安泰じゃないです!

今、世界で色々な国がぶつかりあっています。
その中で日本はちゃんと意見を言えているのでしょうか?
そして私たち一人一人がきちんと
自分の考えをもって正しさとは?を声にあげれるでしょうか?
周りの人の意見を聞きながら自分の意見を言える子どもを育てているでしょうか?
自分自身は学びを個人の独立の為にいかしているでしょうか?

明治時代から福沢諭吉に問いかけられたら
あなたは個人の独立のために学び社会をよりよくしています!
と言えますか?




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