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無能感に食われてしまう前に

なにが君の幸せ、なにをして喜ぶ
分からないまま終わる、そんなのは嫌だ!

人生を変えた一言レベルではないが、初めて日本語の「アンパンマンのマーチ」を聞いたときの衝撃は未だに忘れられない。 子どもが見るアニメソングなのに、すげぇ奥深いんやと。韓国語版とのコントラストのせいかもしれないが…(韓国語版の歌詞と和訳はこちら)

その後、自分に自信がない時・何をすればいいか分からなくなった時に「アンパンマンのマーチ」を聞くようになった。Youtubeのアルゴリズムがひたすら童謡をレコメンドしてくるのは、病むたび「アンパンマンのマーチ」を聞いたせいかもしれない…。

無能感はどこから来るのか

こういう話を書いておくと、一日中鬱になって苦しんでいると思われがちだが、1日20時間以上はそこそこ良い感じで、やることはちゃんとできている。金利や分散投資などの経済勉強もして人生の解像度り、副業で収益も得られるようになったり、友人が飼う犬を1週間預かることになってワクワクしてたり。

確か悪くはない日々なのに、頑張ったという達成感より、ずっと後回ししてきたことを今になってやったという自責感が押し寄せてきたり、厳しい物差しで自分を貶し、無能感に囲まれてしまう時がある。そこまで悪い状況ではないのに、なんでそうなるのだろう。他の人もみんなそうかな…。

無能感を追い出す

本やネット記事を読んでみても、納得がいく「無能感が寄せてくる明確な理由」はなかったので、代わりに無能感が近づいてくるなぁーと感じる時、その無能感からなる早で追い出せる方法を意識することにした。実践できているかと言うとそうではないけど、自分のためにも文字として残しておきたいと思う。似ている悩みを持つ人にも役に立つことがあれば、何より。

1. 「人の良さ和集合」の分解

人の良さ和集合。ネーミングセンス良くないと思うが、まだこれより良いネームが思い出せなかったので(笑)。周りにいる素敵な友人や情熱で溢れている人々の日常を、インスタなどで眺めていると、ふと個々人の良さだけを漏れなくコレクションした仮装人物が出来上がる。

頭もいいし、イケメンで、自分の事業で大成功していると同時に大手でチームリードとして活躍している。何事にもポジティブで、ランニングも水泳も投資など自己投資を惜しまない。

当然、複数の人の長所だけを積み上げた、この世に存在しない人である。そもそも勝つ必要もないと思うが、努力して勝てる存在でもなく、個別の人々として分解して考えないといけない存在である。「言われなくても知ってるわー」と思う人もいるかもしれないが、たまにはペンとノートを持って、このワケがわからない和集合を、ひとつひとつ分解して見ることが、自分の存在を否定しなくなるファーストステップになる。

2. 日帰りバスツアー with マッコリー瞬間移動

バスターミナルに行く。なんとか聞いたことのある地域に向かうバスチケットを買って、バスに乗る。ソウルからだと、だいたい片道3-4時間で着く。最近はよっぽど田舎じゃない限り、繁華街(≒田舎だとバスターミナル半径1kmが繁華街…)に都会っぽいカフェ一つはあるので、アイスコヒーを吸いながら、行きたいところが無いか調べてみる。

お寺が大好きなので、まず近くに寺があるかを調べる。できれば山寺のほうが嬉しい。途中までは車で行けても1-2kmは歩くしかないので、タイミング悪くツアー客がいない限り、人も少なく静かに過ごせる。誰もいない本堂内でひざまずき、静寂に包まれることが、非日常な感じで気持ち良い。

その後は、夕飯でクッパを食べる。同じクッパでも地域によって材料も味付けも違うので、「いつもとは違う何か」を求めているのであればかなり良いチョイスかもしれない。お酒はソジュやビールではなく、マッコリを頼む。マッコリは、地域の酒蔵で作ったものだけを流通する法律があるらしく、味が良いかとは別で、はじめましてのマッコリに出会える。

1~2本を飲みきった後、帰りのバスに乗る。マッコリって飲むときは平気だが、バスを乗るとすぐ眠れる。しかも超快眠。10分ぐらい経ったかなーと思ったら、もうソウルに到着。たった数千円と数時間で、日常から離れた時間を過ごしたという満足感が味わえる。逆に一泊してたら、満足半減。

3. 短期間で完結するつまんないTodoをクリアしてみる

世の中にインパクトのある影響力を与えるためには、「かなりの」時間と努力をかけて大きいミッションを果たすことが求められる。できれば僕も自分の影響力を与える人になりたい。ただし、無能感に食われそうな感じが続くと何事もできなくなってしまうのでないので、とりあえず短期間で終わらせるちっぽけなTodoでも、とにかく数重視でクリアしてみるのが大事だと思う。

僕には、徒歩でフードデリバリーの配達員をするのがすごく役立った。エンジニアや事務職で、体を動かしながら短期間に成果を出す経験をするのがなかなか難しい。一方、配達員はとにかく10分以内に店に行く!チキンを受け取る!頑張って歩いて客に渡す!という成果を、1時間に2-3回も達成できる。お金はさておき、とにかく「できた」の総量が増えたこと自体が良い。

4. 一見情けなく見えるかもしれないが、幸せに生きている人を見る

普段は、働かなくてもお金が入ってくる仕組みを作ったと言ってる事業家や、夢を実現するために頑張り続けた人の話を聞いて、再び意欲を燃やそうとしてる。ただし、無能感に食われそうな時に、そういうコンテンツは毒薬である。余計に苦しくなる。

その度に見る番組が日テレの月曜から夜ふかし。借金が数千万なのにパチンコで一発勝負を目指すおじさん。奥さんの写真でオナニーする嫁ニーさんなど、世の中が求める成功とは少し離れていそうな人々に出会えるのが楽しい。

他人のよろしくない状況を見て、自分を慰めるのが正しいのだろうかと思うこともあった。しかし、自分が置かれた状況が他人よりマシだから嬉しかったとかじゃなくて、「良くない状況」の中で楽しく生きてる・満足している・笑顔でいることを見ながら、あまりにも自分をキツく扱っている自分がアホらしく見えたから、慰められたということだ。

5. すごくなったサービス、人、起業の初期を覗く
世界中の人々が皆知っている大手までいかなくても、ここ数年で日常生活に大きい影響を与えているスタートアップの起業直後の記事やコンテンツを覗いてみるのも、無能感を克服するのに役立った。

空気のような存在になったアプリやサービスすら、最初は「○○で物足りるのに、わざわざ変える必要無いわ」という反応が殆どで、長い間「無能な状態」のまま、実は価値を積み上げてきたというのがわかる。

誰か(極端にシニカルになった自分も含め)は、無能な状態からそのまま消えてしまった多くの企業・サービスのことを言ってくるかもしれない。無能感を感じるやつはただただ無能な存在で、だから潰れたと。こういう時こそ、データに基づいた意思決定ではなく、無能感の乗り越えたケースだけインプットして確証バイアスを持つことが必要だ。

これからも僕は無能感に苦しむだろうし、自己嫌悪っぽい何かが訪れることを知っている。また小さい成功に寄って浮ついたときは、無能感ってなに〜と調子乗っちゃうと思う。そして、またどん底に落ちて、苦しむし。

小さいことを自慢せず、小さいことで落ち込まず、メンタル丈夫な時事になりたい。

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